細菌の種類(好気性細菌と嫌気性細菌、細胞壁による分類と形状による分類)

細菌の顕微鏡写真

細胞壁による分類と形状による分類

生物は大きく分類すると・動物・植物・原生生物・細菌類・藍藻類(らんそうるい)に分けられます。

細菌類と藍藻類は遺伝情報であるDNAが核膜に包まれずに存在していることが特徴で原核生物と呼ばれています。

一方、DNAが核膜につつまれているのが真核生物で動物・植物・原生生物はここに分類されます。

酵母やカビ、きのこなどの菌類も核膜があるため真核生物として分類されています。

微生物と呼ばれる生物は原生生物・原核生物・ウィルスの総称です。

細胞壁による分類

細菌の分類では、細胞の境界膜の性質から3つに分類をされています。

1:マイコプラズマ

解説:細胞壁を持たない小さな菌で、直径は150μm前後しかありません。

2:グラム陽性菌

解説:一層からなる細胞膜を持つ細菌である。

ブドウ球菌、ボツリヌス菌、乳酸菌、ウェルシュ菌等。

グラム染色により紫色に染まるのが特徴。

3:グラム陰性菌

解説:二層以上の細胞膜を持持つ細菌である。

大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、ペスト菌などの病原性の高い菌が多い。

グラム染色液により赤色やピンク色に染まるのが特徴。

グラム陽性菌と陰性菌の違いはグラム染色液により濃い紫色に変色するのがグラム陽性菌で赤色やピンク色に染まるのがグラム陰性菌であると区別されています。

この分類法は19世紀末にドイツの細菌学者クリスチャン・グラムによって発明されたためグラム染色と呼ばれています。

細菌を形状から分類すると

球の形をした・・・球菌

細長い円筒状の形をした・・・桿菌

球菌の特徴:

球形の細胞が単独で活動する単球菌と細胞分裂した後も離れず細胞が集団で行動する双球菌、四連球菌、八連球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌などの種類があり、桿菌に比べると、小さいのが特徴です。

桿菌の特徴:

桿菌は、単独で活動する長桿菌、短桿菌があります。

また、細胞分裂後に離れずに行動する連鎖桿菌などがあります。

円筒状以外にも、V字、Y字、T字に配列したコリネ型菌らせん状のらせん菌、らせんの数が多いスピロヘータなどもございます。

細菌に生えている鞭毛の形状による分類

細胞から1本の鞭毛が伸びている単毛菌

複数の鞭毛が伸びている束毛菌

細胞の両端から鞭毛が伸びている両毛菌

規則性もなく、多数の鞭毛が伸びている周毛菌

桿菌の中には芽胞と呼ばれる胞子を作るものもあります。

この芽胞は過酷な環境下に置かれた細菌に備わった機能です。

例えば、乳酸菌の中でも有胞子乳酸菌は腸まで生きて届く強い菌であるとして知られています。

腸内細菌で当てはめてみますと善玉菌のビフィズス菌はグラム陽性菌で形状は桿菌で酸素を嫌う嫌気性の細菌に分類されます。

好気性細菌と嫌気性細菌

細菌には好気性と嫌気性という分類方法があります。

酸素がある環境下で発育する好気性細菌

細胞の呼吸過程の中で、好気性菌は、糖や脂質のような物質を酸化してエネルギーを得るために、酸素を利用します。

地球上に藍藻類が誕生し、大気中に酸素が増加してきたことによって誕生したとも考えられています。

ある種の好気性細菌はミトコンドリアの祖先とする説も存在します。

特徴:空気のある場所を好む細菌

乳酸桿菌など)

酸素があると発育ができない偏性嫌気性細菌

嫌気性細菌は増殖に酸素を必要としない細菌を指します。

酸素存在下で酸素を利用できる通性嫌気性生物と、大気レベルの濃度の酸素に暴露することで死滅する偏性嫌気性生物に分けられます。

酸素を利用することはできないが、大気中でも生存に影響がない生物は、耐酸素性細菌などと呼ばれます。

特徴:空気のある場所を嫌う細菌

大腸菌腸球菌など)

酸素存在下で酸素を利用できる通性嫌気性生物

エネルギー獲得のため、酸素が存在する場合には呼吸によってエネルギーを生成するが、酸素がない場合においても発酵によりエネルギーを得られるように代謝を切り替えることのできる細菌を指す。

特徴:どちらの環境下でも発育ができる通性タイプ

ビフィズス菌日和見菌ウェルシュ菌など)

好気呼吸(こうきこきゅう)

酸素は地球誕生時の大気には今より少ない濃度しか存在しませんでした。

しかし、植物のような光合成を行うものが出現したことで大気には徐々に酸素が蓄積されてきました。

本来、酸素は強い酸化力をもった毒性の強い気体です。

しかし、一部の生物は酸素を利用した酸化過程を通じて大きなエネルギーを利用できるようになり、これを異化代謝と呼びます。

現在、酸素を利用した代謝のできる生物は細胞内のミトコンドリアにより炭水化物を酸化し、

最終産物として二酸化炭素 (CO2) と水を排出します。

つまり、好気呼吸は酸素呼吸など酸素を用いる呼吸をしているのです。

嫌気呼吸(けんきこきゅう)

異化代謝系としては、好気呼吸と同じですが受容体として酸素を用いません。

アルコール発酵など発酵過程の代謝はすべて嫌気呼吸です。

好気呼吸に比べると極めて効率が悪く、生産するエネルギーの量は格段に差があるとされています。

腸内では

通性タイプである大腸菌や腸球菌は酸素があっても発育できるため腸内で最初に繁殖し、これらの菌によって酸素が消費されることでビフィズス菌等の嫌気性菌が繁殖し始めるとされています。

腸内では、嫌気性細菌が圧倒的に多いのですがビフィズス菌はわずかな量の酸素であっても生存できるため微好気性細菌とも呼ばれています。

歴史的にはビフィズス菌や乳酸菌の発見が相次ぎ小児科医の分野では特に腸内環境を乳酸菌優位に保つことの重要性が指摘されるようになりました。

そして長年の研究の成果で様々な種類の腸内細菌が共生し一つの生態系が出来ていることが分かりこうした細菌の集まりを腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれるようになりました。

そして、腸内細菌の研究が長年続けられ、現在は、善玉菌の働きが腸内環境を整え健康状態を完全させるということが常識化していったのです。

このページの先頭へ