免疫と腸内細菌の関係

細菌の種類

免疫とは?

免疫とは異物の侵入を感知して、抗体をつくって自己を守る防御システムのことを指します。

異物の毒素を記憶し素早く対応

体内に最近やウィルスが侵入すると、リンパ液の中にあるリンパ球がそれを感知して抗体を作り防御します。

この時、リンパ球はそれら異物が出した毒素の性質を記憶して新しく生まれたリンパ球にも伝達するため、将来体内に同じ細菌やウィルスが侵入してもリンパ球がすばやく発見し、発病する前に退治します。

つまり、身体が自律的に外敵から病魚するこのシステムを免疫と呼ぶのです。

一度はしかにかかった人が二度とはしかにかからないのもこの免疫の働きによるものです。

また、予防接種は病気にならない程度にウィルスを体内に入れて人工的に免疫をつくっておく方法なので憶えておくと良いでしょう。

免疫に関わる細胞

造血幹細胞から生まれる免疫類

免疫に関係する白血球類は、全て骨髄の中にある造血幹細胞から生まれ白血球の30%を占めるのがリンパ球です。

リンパ球には、胸腺を経て分化するT細胞(細胞性免疫に関わる)と胸腺を経ないB細胞(体液性免疫に関わる)があります。

T細胞は胸腺で教育されて免疫システムに大きく関係するヘルパーT細胞やサプレッサーT細胞、キラーT細胞に分かれます。

また、B細胞はヘルパーT細胞の指令で抗体を作ります。

そして、その力に引き寄せられるように好中球や単球(大型の単核細胞)が変化したマクロファージが集まり、異物を食い殺したり分解したり処理します。

乳酸菌と免疫の関係

乳酸菌の生成する乳酸や酢酸などの菌体成分は身体全体に作用し腸内免疫を刺激する作用し腸内フローラにも好影響を与えます。

免疫は、病気から身を守る生体防御の仕組みと定義されていますが、その仕組みを担う白血球(免疫細胞)のじつに6割が小腸の内壁に集結しています。

腸には食べ物とともに外部から様々な病原菌が侵入してくるため外敵から防御する仕組みが必要となっています。

腸管は、人体最大の免疫器官であるとともに多数の免疫細胞が働く生体防御の要であり、腸内細菌と菌体成分が大きく関わっています。

自然免疫と獲得免疫で身体を防衛

免疫系は、自己と非自己を区別し自己は攻撃しないが自己にダメージを与える非自己は排除する仕組みです。

さらに、攻撃した相手を記憶し相手によって攻撃法を変えますが、こうしたことを意識せずとも機能させているのが免疫のシステムです。

免疫は、働きの違いから自然免疫と適応免疫に大別されます。

自然免疫と適応免疫の働きについて

腸管免疫のメカニズム

小腸の内壁には無数のヒダがありその表面に絨毛と呼ばれる突起で覆われています。

内壁の表面積を広げ、栄養素を吸収するための機能であるとともに免疫細胞の集結場所にもなっています。

絨毛の間にあるバイエル板という場所が代表的な器官で、ここには、免疫細胞の一つであるリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージなどが多数待機して周辺の上皮細胞などで働くリンパ球や自然免疫の働きと連携しながら病原菌を捕獲するための抗体(IgA)を製造しています。

こうして捕縛された病原菌をマクロファージなどの食細胞が処理するまでの流れが獲得免疫の仕組みです。

一方で、ここの細胞に備わっているのが自然免疫の働きです。

小腸の上皮細胞には外部から侵入してきた病原菌を認識するレセプターが病原菌に対して反応して、ディフェンシンと呼ばれる抗菌物質を分泌しますが、これが自然免疫の基本的な機能です。

腸内の乳酸菌やその菌体成分が腸管免疫を活性化させるのはこうした自然免疫のレセプターであるTLRやTLR2を刺激するためだと考えられています。

この刺激により、病原菌の増殖を抑える多数のサイトカインが生成されディフェンシンが分泌されることになるのです。

免疫刺激による生体活性

乳酸菌による免疫刺激は感染症の防御に貢献するだけではなくガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化させたり
アレルギー反応を抑えることにも効果を発揮すると考えられています。

アレルギー反応に関しては、乳酸菌の菌体成分がマクロファージや樹状細胞などのTLR2を刺激して、サイトカインを分泌することでアレルギーを抑えるTh1細胞を活性化させることが確認されています。

こうした機能活性は、人体の恒常性を維持している免疫系・内分泌系・神経系という3つの防御システムになかで発揮されるのです。

腸内細菌と腸管免疫系の形成

無菌動物では経口免疫寛容が誘導されないことや腸内細菌叢の構成は宿主それぞれの遺伝子のタイプに相関があることから腸内細菌と免疫系の深い関係があることが定説になっています。

また、腸内細菌が腸管免疫の形成に果たす重要な役割について解説を致します。

セグメント細菌と呼ばれるマウスの小腸部に棲んでいる細菌を無菌マウスに定着させると小腸の免疫系が活性化され免疫系ととしての形が整ってくることが研究者により報告されています。

また、大腸の免疫系は有害菌と呼ばれるクロストリジウムを定着させることで整うことがわかってきています。

更に、腸管免疫系がより完成されたものになっていくのにもやはり腸内細菌が関わっています。

例えばバクテロイデスなどの菌を直接腸に摂取すると免疫細胞の遺伝子の発現が増強され細胞が増殖することがわかっており、これは腸内細菌が直接宿主に作用していることを示すものです。

赤ちゃんの体の器官のほとんどは遺伝子にプログラムされたまま完全な機能を持っているものの腸内免役に限っては未熟ですので、母体から菌が入ることにより腸管の免疫が活性化するのです。

産道で感染する菌は母親の体の中で寛容が成立している物ばかりで子供の免役遺伝子は母親の遺伝子に類似しているので感染した菌が定着しやすいのだと考えられています。

そして感染した菌はそれぞれの特徴を生かして腸管に多い抗体であるIgAや免疫細胞の産生・活性化をこれに関与する遺伝子のレベルで影響を与えます。

つまり、、腸内細菌のおかげで腸管免疫は完成するのであり、このような現象には、腸内細菌の細胞表面にあるたんぱく質、糖、脂質、核酸といった物質とこれを認識する抗原掲示細胞のレセプターが重要な働きをを果たしています。

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