腸球菌とは

腸球菌

腸球菌(ちょうきゅうきん)とは、人間や動物などの哺乳類の腸内に存在する常在菌の一種で、球菌の形態をとるものを指します。

外界で増殖しにくく、人畜の糞尿で汚染されていない限り、環境中の水や土壌にはほとんど分布していません。

このように、腸球菌は自然界で増殖しないため、河川や湖沼などの公共用水域におけるふん便汚染の指標の一つとされています。

腸球菌属は健常者の回腸や口腔、外陰部などからしばしば分離される常在性のグラム陽性球菌であり、病原性が非常に弱い点が特徴です。

通常の健康体ではこの腸球菌が感染症を引き起こす原因となることはないが、何らかの病気にかかって免疫力が低下している状態では、心内膜炎や敗血症、尿路感染症などを引き起こす可能性があります。

大腸菌よりも加熱や冷凍に対する耐性が強いのが特徴です。

感染したらどうなるか

高齢者や重い病気で抵抗力の落ちている人が感染すると、発熱や炎症を起こしやすく、重い症状を引き起こすことがあります。

特に、バンコマイシン耐性腸球菌VREでは、抗生物質がほとんど効かないため、その治療が非常に困難なため、死亡することもあります。

バンコマイシン耐性腸球菌VRE

バンコマイシンは、細菌による感染症の治療に使用される抗生物質です。

バンコマイシン耐性腸球菌VREは人間の腸内にいる腸球菌の中で、ほかの抗生物質が効かない耐性菌にも効果がある強力な抗生物質バンコマイシンでも効かない菌のことを指します。

感染経路

バンコマイシン耐性腸球菌VREは感染症患者や保菌者の尿から排出されることもありますが、主に便中に排菌されます。

バンコマイシン耐性腸球菌VREは接触感染によって広がります。

バンコマイシン耐性腸球菌VREの感染症患者や保菌者の便や尿から排出されたバンコマイシン耐性腸球菌VREが感染症患者、保菌者あるいは医療従事者の手や、ベッド柵、トイレ、ドアノブ等の環境を介して他者に伝播します。

接触感染によって広がるため、感染力は高く無く空気感染や飛沫感染(インフルエンザのように咳やくしゃみの際の飛沫を吸い込むことによる感染)することはありません。

治療

普通の抗菌剤がもともと効かなかった上に、新しい抗菌剤も次々に効かなくなってしまうことから治療には注意が払われます。

心内膜炎や髄膜炎のように、血中に菌が入って全身に広がる危険な腸球菌感染症は、菌の細胞壁合成を阻害するペニシリン・セファロスポリン系の抗菌剤かバンコマイシン系抗菌剤のどちらかに、タンパク質合成を阻害するストレプトマイシンやカナマイシンの仲間の1つを加えて、2種類の抗菌剤の協力作用によって治療するのが普通です。

このように人体と共存している腸内細菌にも人体に有害な作用をもたらす細菌群があり悪玉菌と呼ばれてもいます。

この悪玉菌に関する詳しい解説はコチラです。

プロバイオティクス

その他の腸内細菌の種類

悪玉百科事典 善玉百科事典

このページの先頭へ