大腸菌とは

大腸菌

(提供元:国立感染症研究)

大腸菌は、哺乳類の結腸に寄生する腸内細菌で、健康な人の腸内にもいます。

本来は無害ですが、腸以外の臓器に侵入すると下痢や泌尿器の感染症などを起こすことがあり、ある種の大腸菌はヒトに下痢、腹痛などといった病気を起こすので注意が必要です。

また、いくつかの大腸菌は人に対して病原性があり、これらを総称して下痢原性大腸菌と呼んでいます。

重篤な症状を出す菌としてO-157のような病原性大腸菌も存在します。

汚染の有無の指標とされ、水質検査に用いられ、水道水基準では、検出されないことが原則になっています。

また、好気性の環境下で増殖するため、人間の腸内では出生直後より増殖を始めます。

成人の腸内では、稀ですが食生活の乱れやストレスのどによって増殖し病気の原因となります。

乳幼児や小児、基礎疾患を有する高齢者では腹痛や血便などの出血性腸炎のほか、まれに急性腎不全、血小板の減少、貧血などの症状を呈する溶血性尿毒症症候群を引き起こすことがあるので注意しましょう。

また、病原大腸菌は、一般的には5種類に分けられています。

病原大腸菌の種類

  1. 腸管病原性大腸菌(EPEC)
  2. 腸管組織侵入性大腸菌(EIEC)
  3. 腸管毒素原性大腸菌(ETEC)
  4. 腸管出血性大腸菌(EHEC)
  5. 腸管凝集接着性大腸菌(EAggEC)

大腸菌の症状

潜伏期間は平均3~5日で、症状は激しい腹痛で始まり、数時間後に水様下痢を起こすことが多いとされます。

1~2日後に血性下痢(下血)がみられ、ほとんどが血液で、糞便を含まないことがあります。

また、溶血性尿毒症や、脳障害を併発することがありますが、溶血性尿毒症の場合は下痢が始まってから、約1週間後に、赤血球の破壊による、溶血性貧血、血小板の減少及び急性腎不全などの症状が現れ重症の場合は死亡します。

大腸菌の予防

1:生野菜などはよく洗い、食肉は中心部まで十分加熱してから食べ、冷蔵庫内の食品はよく点検し、早めに食べること。
2:加熱調理済の食品がニ次汚染を受けないよう、調理器具は十分に必ずよく洗い、熱湯又は塩素系消毒剤で消毒すること。
3:調理や食事の前には必ず石けんで手を洗うこと。
4:水道管直結以外の水を飲用あるいは調理に使用する場合は、必ず年1回以上の水質検査を受け、飲用に適しているか否かを確認すること。
5:ビルなどの貯水槽の清掃・点検を定期的に行うこと。
6:おなかが痛くて、下痢が続いたら、すぐにかかりつけの医師の診察を受けること。
7:発症した患者のいる家庭では、糞便に汚染された下着等の取扱いに注意すること。

このように人体と共存している腸内細菌にも人体に有害な作用をもたらす細菌群があり悪玉菌と呼ばれてもいます。

この悪玉菌を抑制する方法につきましては悪玉菌の減らし方をご参照ください。

プロバイオティクス

大腸菌の治療

治療は基本的には赤痢やサルモネラ症と同様で、対症療法と抗生物質の投与が中心となります。

特にETEC 感染症の場合は脱水症状に対する輸液が必要となります。

その他の腸内細菌の種類

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