肥満のメカニズム(脂質、炭水化物、タンパク質との関係)

肥満男性

肥満とは、脂肪が体内に過剰に蓄積された状態を指します。

体内に蓄積された脂肪を体脂肪と言い、一番多く蓄積された場所は皮下脂肪や内臓脂肪にある脂肪細胞によって蓄積されています。

蓄積とは、摂取されたエネルギーが消費されるエネルギーを上回る場合に余分なエネルギーが脂肪に変換され脂肪細胞に送られ蓄えられることを指します。

人間には筋肉、臓器、体脂肪の構成比など個人差があるため外見からだけでは肥満であるかどうかの判定は難しいとされています。

体脂肪を判定する方法は、体脂肪計のついた体重計が普及した現在では簡単になりましたが体脂肪計以外ではBMIという数値で判定する方法もあります。

BMIは、身長と体重がわかれば簡単に計算できるので目安としてお勧めです。

肥満のメカニズム

栄養学の観点からみたエネルギーの収支計算では、摂取エネルギーを収入とすると何もしなくても体温維持や呼吸など生存するために全身の細胞が必要とするエネルギー量、基礎代謝エネルギー運動などで必要とされる生活活動エネルギーの合計を支出として収支計算をします。

収支計算の結果、収入が支出を上回ればその余ったエネルギーは脂肪に転換され体脂肪として蓄積され体脂肪になります。

そのことから、収入である食事の摂取量を極端に少なくして断食ダイエットをしてしまうケースがありますが、この方法は、止めた途端にダイエット開始時より肥満になってしまうリバウンド現象を起こすことになります。

これは、体が飢餓状態を感じることにより防衛本能が働き脂肪細胞が通常の10倍も脂肪を取り込もうと働くからです。

肥満に至るプロセスにはエネルギーの収支以外にもホルモンや酵素といった化学物質が関わっておりこの要素を上手に利用してダイエットを考えるのが最新の考え方です。

生化学的にみた肥満化のメカニズム

1:炭水化物と肥満

食品摂取→血糖値上昇→インスリン分泌→血糖値低下→脳が糖分要求→空腹感→食品摂取

炭水化物を摂ると消化されてグルコースつまりブドウ糖になって肝臓へ送られ肝臓から血液に入り全身の細胞まで運ばれ細胞のエネルギー源になります。

筋肉細胞は、グルコースを取り込み、グリコーゲンへ変えて備蓄します。

この備蓄されたグリコーゲンは筋肉細胞により必要に応じて使用されます。

また、いったんグリコーゲンとして備蓄したら、それを再びグルコースに変えて血液に放出することはありません。

しかし、脳細胞だけはグルコースだけを栄養にしているため

血中にグルコースが無くなると、肝臓のグリコーゲンが再びグルコースに分解され脳細胞まで運ばれていきます。

脳細胞のために肝臓に備蓄されているグリコーゲンの量は炭水化物にしてわずか60g~90gとされています。

一方の筋肉に備蓄できるグリコーゲンの量は260g~480gとされています。

人体全体で備蓄できるグリコーゲンの量は320g~570gとなります。

つまり、それ以上の炭水化物を摂取しても、グルコースとして備蓄できないため脂肪に変換され体脂肪として備蓄されてしまうのです。

穀物食品などの糖質(グルコース)が多い食品を取り過ぎると血中のグルコースの濃度が大幅に上がり通常の血糖値を超える値になります。

血糖値が急激に上昇すると、血液の組成比が変わりインスリンというホルモンが脾臓から大量に分泌されます。

インスリンが血液によって全身の細胞まで運ばれると全ての細胞に対してグルコースを大量に取り込むよう指示がなされます。

そのような生化学反応により血糖値は低下するのです。

血糖値が下がると、グルコースを唯一の栄養源としている脳細胞は体に対してグルコース要求の指令を出しますがこれが空腹感になり、特に甘い物、つまりグルコースを多く含む食品を欲しくなります。

そしてグルコースを多く含む食品を摂取し、血糖値が上がるというのが炭水化物を摂取した時に起こる生体のサイクルなのです。

このような、高インスリン状態が続くと、様々な生化学反応を誘発します。

第一の反応は、リポプロテインリパーゼという酵素が活発に働き出し人体のエネルギー消費を停止させるように働き出します。

その結果、エネルギーの余剰が大量に発生し体脂肪として蓄積されます。

この機能は、人類が身につけた飢餓状態に対する防御機能でその防御機能が誤作動を起こした状態と考えると良いでしょう。

この反応が起こると、グルコースだけではなく、タンパク質も脂肪も栄養素は急速に体脂肪として蓄積されてしまいます。

この高インスリン状態の人がダイエットの為にトレーニングをしても体脂肪が燃焼されることはありません。

燃焼するのは筋肉に備蓄された微量のグリコーゲンだけでそれを失った筋肉は容易に疲弊して筋肉痛を起こすだけとなり血糖値は急速に低下して栄養分を失った脳細胞が働くなり目眩を起こしたりするのです。

第二の反応は、グルカゴンというホルモンへの影響があります。

ホルモンとは常に相反する情報を伝えるホルモンと対をなしていて、インスリンが血糖値を下げる情報を伝達するのに対してグルカゴンは反対に血糖値を上げるように情報を細胞に伝達する働きがあります。

インスリンが大量に分泌されると、グルカゴンの分泌が相対的に低下します。

グルカゴンは肝臓に備蓄されたグリコーゲンをグルコースに変えて血中に放出させる役割があり、この血糖値の低下は脳細胞のエネルギー不足を招きます。

例としては、食事で満腹になった時に、眠くなったりするのはこのようなホルモンの働きによる生体反応の結果であるのです。

第三の反応は、局所ホルモンのエイコサノイドへの影響があります。

この局所ホルモンは、必要に応じて人体せべての細胞が自ら生成するホルモンです。

このホルモンには、人体に有益な善玉と悪玉が存在します。

インスリンの分泌が高くグルカゴンの分泌が低いとこの悪玉エイコサノイドが大量に生成されます。

悪玉エイコサノイドは、体全体の細胞が抵抗力を低下させる働きをします。

以上の反応が、穀物食品などに多く含まれるグルコースを過食した時に起こる生体反応のメカニズムです。

脂肪と肥満

人間が普段摂取している油脂や食物に含まれる脂肪は、数種類の脂肪酸とグリセリンからできていて、脂肪酸が体内に入ると、その脂肪酸毎に異なった生理作用をします。

これらの生理作用には人体にとって重要な作用が多いと言われています。

脂肪酸は常温で固まる動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれ、これがコレステロールを増加させる一方、常温で固まらない植物性脂肪に多く含まれる不飽和脂肪酸のリノール酸がこれを防止するとされています。

特に、アラキドン酸は悪玉栄子サイドを生成するので摂取は控えたほうがよろしいでしょう。

一方で、脂肪は食べ物を美味しくする要素であることと、十二指腸から分泌され、脂肪の消化を促す胆汁を分泌させる

コレチストキニンというホルモンは脳に満腹感を与える働きがあります。

タンパク質と肥満

タンパク質は人体を構成するリーンボディマス(除脂肪組成)つまり筋肉を組成する重要な栄養素です。

筋肉を維持するためには毎日一定の量のタンパク質を摂取しなければなりません。

タンパク質の欠乏は健康の悪化や身体的な血管を生み出す可能性も指摘されています。

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