加齢で体力が低下する理由と低下を防ぐ方法

元気な高齢者カップル

体力の定義と衰えるメカニズム

体力とは何か?

体力は、行動体力と防衛体力に分けられます。

・行動体力とは、走ったり、投げたり、跳んだりする運動の基礎になるのが行動体力です。

・防衛体力とは、体温調節、病気に対する免疫力、ストレスなどに対する抵抗力を表します。

行動体力は下記の7つの要素に分けられます。

  1. 筋力・・・物を持ち上げる、つかむ、押すなどの動作をする時に発揮する力。
  2. 瞬発力・・・投げる、打つ、跳ぶなどの動作をする時に発揮する力。
  3. 筋持久力・・・物を持ち続けたり、繰り返し持ち上げる時に発揮する力。
  4. 全身持久力・・・運動し続ける時に発揮されるスタミナ。
  5. 平衡性・・・平衡感覚に基づいた調整力。
  6. 敏捷性・・・自分の思うように体を動かせる力。
  7. 柔軟性・・・体を曲げる、反らすなど関節を取り巻く組織の弾力性。

こうした、体力の要素を総合しして、体力と呼びます。

体力が衰えるメカニズム

体のあらゆる機能は20代をピークに衰え始めます。

体力の貯蓄をしなければならない30代は、人生の中でも働き盛りにあたりスポーツを楽しむ余暇がありません。

仕事では正念場を迎える時期には、体力は加速度をつけて衰え始めるという反比例の関係にあります。

ジョギングやマラソンなど手軽な運動を続けてきた人は30代になっても体力はあまり衰えません。

体力的なピークをむかえる20代でも運動をする人としない人では、体力年齢は3歳前後の差が出るもので30代では差が開くことになります。

例えば、運動をしていないビジネスマンに心拍数を計測すると仕事をしている時は1分間に70拍程度なのに駅の階段を登るだけで100を超えてしまう人がほとんどであると言われています。

これは心肺機能がかなり低下している証拠であると言えます。

人間は酸素が無いと活動できません、そして酸素を全身に供給しているのは血液です。

軽い運動では、心拍数と1回の拍出量が増えて体に酸素が供給されますが激しい運動の時は心臓は心拍数を増加させます。

心拍数が増えたということは、この動作が激しい運動に相当したということを示しています。

心臓の拍出料は、安静時に1分間に約5リットル激しい運動で約20リットルに達しこれを最大心拍数と言います。

普段は拍出量が最大になることはなく、歩行時でも8リットル前後です。

この差分が予備能力として緊急時に対応できる能力になります。

運動不足が続くとこの予備能力が次第に減少して早足で歩いただけでも息切れするようになります。

運動を継続してこの予備能力を回復させることが体力向上には必要です。

運動をしないと、まず心臓から弱っていく

激しいスポーツも体を害しますが、運動不足のほうが健康を損ないます。

人間は動くことによって、神経系、循環器系、消化器系、運動器系などが機能し維持される仕組みになっています。

寝たきりになると体の機能が低下しますが、以上の理由により退化をするのです。

運動不足は、心筋梗塞の可能性を高めるだけではなく、心臓そのものに影響を与えます。

安静時に1分間焼く5リットルの血液を拍出する心臓は、運動時にはそれよりも多くの血液を拍出します。

その最高値を最大心拍数といい、30歳までの男性の平均は20リットル程度とされています。

日常生活では、心拍出量は最高値になることはめったに無いとされています。

早足で歩いても8リットルか10リットル程度であると言われます。

安静時の5リットルと最大心拍出量20リットルの差が心臓の予備力とされています。

スポーツをした時はこの予備力が働きます。

急な運動で身体活動をする状況でもこの予備力が働きます。

この予備力は運動不足とともに減少し、8リットル以下に落ちてしまうと階段を登ったり、ちょっと走っただけでも息切れをするようになります。

筋肉を使わないと筋力は落ちますが、心臓も使わないと衰えるのです。

しかし、週に何回か適度なスポーツをして心臓をドキドキさせることで心臓の機能低下は防ぐことが可能です。

何故体力は衰えるのか

人間の体力は、20歳をピークに衰え始めます。

この衰えは自然の摂理なので避けれませんが、衰える速度をゆるめることは可能です。

その衰えの速度を緩める働きがあるのが運動です。

運動の効果は年齢に関係なく、何歳から始めても効果はありますが運動は若い頃から始めたほうが効果的で低下の速度をに歯止めをかけることが可能です。

継続した場合でも体力は徐々に低下しますが、何もしなかった場合に比べ低下のスピードは緩やかになり大きな差が出ます。

40代、50代の方でもトレーニングにより30代なみの体力を取り戻すことは可能です。

人間は体を使わないと自然の摂理により衰えますが心臓も衰えます。

常に心臓に負荷をかけることは危険ですが、1日10分から30分でも負荷をかけることでそれだけで心臓の機能の衰えを防ぐことが出来るのです。

90歳からトレーニングを始めて著しい効果がみられたという研究結果もあるそうです。

アメリカのハーバード大学などの研究者が、90歳以上の男性10人に8週間の筋力トレーニングをしたところ脂肪が減り筋力が増え、特に太ももの大腿四頭筋は31%も増えたとのデータが出たようです。

体力は使わないとどんどん衰える

運動能力の低下はの原因は、筋力の低下と最大酸素摂取量の低下が原因です。

最大酸素摂取量とは1分間に摂取できる最大の酸素量を指します。

人間は加齢とともに脂肪が増え筋肉が落ちて、脂肪が増えた分だけ筋肉が落ちて25歳と75歳では約33%もの骨格筋が加齢で失われるとされています。

最大酸素摂取量も加齢とともに低下し10年毎に約10%ずつ低下すると言われています。

加齢による体力低下を防ぐ方法

30代に差し掛かると体力の衰えを感じる方も多いかと思います。

人間の体力は、20歳がピークで30代は20代の運動不足のツケがまわってくる年代なのです。

人体の主要臓器は加齢とともに機能が低下していきます。心臓や肺の機能が低下してスタミナが無くなり、体を構成する成分も年齢とともに筋肉などの実組織が減少し脂肪分が増加します。

このようにして体のぜい肉が増えていき、飽食と運動により蓄積されていきます。

年齢による体の成分構成の変化

25歳:脂肪15%:実質組織17%:骨6%:細胞内水分量42%:細胞外水分量20%

75歳:脂肪30%:実質組織12%:骨5%:細胞内水分量33%:細胞外水分量20%

このようにして、体の構成成分が変化していくだけではなく臓器の機能も低下していきます。

30代では、20代と比べ10%低下して、80代では50%低下すると言われています。

人間の体には予備力というものがあり、体の機能低下に比例して体力が衰えることはありません。

しかし、運動不足はこの予備力をどんどん減らしていきます。10代、20代でスポーツをしていた人は30代になってもさほど体力は落ちませんが運動不足の人は予備力の低下に歯止めが効かずみるみる体力が低下していきます。

予備力が無くなってから運動を始めても効果が出にくいので無くなる前に体力を取り戻したほうが得策です。

健康に良いのはゆったりしたスポーツ

ウォーキングをする女性

競技スポーツは、健康よりも技術の向上を目的としていますので、ハードなトレーニングを伴うスポーツは逆効果です。

勝つことに意味があり、毎日がトレーニングの繰り返しとなり結果としてオーバーユース・シンドロームつまり使い過ぎ症候群となり体に負担を与えます。

ハードなトレーニングは体内に活性酸素を増やして健康を害する可能性があります。

活性酸素はリンパ球の一種である好中球が細菌などの外敵を攻撃する時に用います。

生体を守る役割がある一方、活性酸素は増えすぎると自身の肉体を傷つけることになります。

喫煙が発がんの最大の危険因子とされているのも体内の活性酸素を増やすからです。

活性酸素は体の組織を傷つけて細胞の癌化を促進させてしまいます。

また、使いすぎ症候群には貧血がつきものです。

このように、激しいスポーツは健康を害する恐れがあり健康に良いとされているスポーツは、ジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳などの有酸素運動が良いとされ、体力の維持や向上に大きく貢献します。

加齢による体力低下を防ぐ方法

実は、加齢で深刻なのは腸内環境の低下です。

腸内環境は、人間の免疫機構と密接に関係があり、加齢で健康を崩す原因の多くはこの腸の高齢化なのです。

一番老化が早い腸内環境

腸内細菌とは

腸内細菌は3種類に分類され、善玉菌悪玉菌、日和見菌の3種類があります。

善玉菌は消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響がある菌で、代表的なものにビフィズス菌や乳酸菌があり、健康維持や老化防止にいいといわれています。

反対に悪玉菌は人体に有害で、代表的なものにウェルシュ菌・ブドウ球菌・大腸菌(有毒株)があり、病気の引き金となったり老化を促進します。す

また日和見菌は、普段は無害ですが、免疫力が低下すると腸内で悪い働きをする菌で、代表的なものにバクテロイデス・大腸菌(無毒株)・連鎖球菌があります。

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加齢による腸内細菌の変化

腸内の細菌群は、年齢とともに変化し加齢により、悪玉菌(有害菌)の割合が増えてきます。

母体内で胎児は無菌に保たれており、生まれ落ち母乳を飲んでいる時は母乳中の乳糖、ガラクトオリゴ糖を栄養源として、ビフィズス菌が増殖し始めます。

赤ちゃんの便が黄色っぽく臭くないのはビフィズス菌優位の腸内環境になっているからです。

離乳期以降、離乳食を食べ始めると、大人の菌叢(きんそう)へと変化していきます。

成人では、10〜20%台の占有率で善玉菌が腸内に存在しています。

高齢になると、ほとんどの場合ビフィズス菌は減少し、若年ではまず検出されなかったウエルシュ菌などの悪玉菌が、高確率で検出されるようになります。

加齢と腸内細菌

そのため、老化で減少した善玉菌を摂取し、腸内で増やし免疫を向上させ若返る食事法をプロバイオティクスと言います。

食事をする老夫婦

特集記事:腸内の加齢を防ぐ食事法プロバイオティクスの詳細

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