乳ガンの原因と症状

女性の胸 乳

乳がんは乳腺に発生するガンで非浸潤ガンと浸潤ガンに大別されます。

非浸潤ガンは、ガン細胞が上皮内にとどまっているガンで他に転移しませんが、浸潤ガンは一定の大きさを超えると上皮を破って血管やリンパ管に入り体のあちらこちらに転移します。

乳房に異常がある場合は乳ガンが疑われ、日本での乳ガンの発生率は年々増加して、年間2万人前後が発症するとされます。

原因

乳癌の発生原因は、いくつかの因子が複合的に作用していると考えられています。

女性ホルモンや遺伝的要素、女性の生活習慣由来の要素、動物性脂肪摂取量の増加があげられます。

家族に乳がんの人がいた場合は、いない人に比べて発生率が高まることから遺伝が関係していると考えられています。

また、肥満と乳癌の関連性は密接であるとされ、乳癌の発生は肥満女性に多く、標準体重の20%~40%も多い場合は乳癌のリスクが上昇するとされています。

同じ乳癌でも肥満女性のほうが悪性度も高く再発しやすいとされ注意が必用です。

肥満を防ぐ方法についての解説

乳がんになりやすい人

30歳以上で出産経験の無い人、未婚の人、初経が早く閉経が遅い人、出産回数が少なく授乳をしていない人、肉食が多い人、肥満している人なども乳がんになりやすいとされます。

年齢的には40歳代の方の発生が一番多く、次いで50歳代の方で25歳以下の方は稀であるようです。

症状

しこり

乳癌で最も多い症状は乳房のかたいシコリであるとされます。

乳房の仕組みは、乳腺がぶどうの房が集まったような形状をしていて小さな出口が乳首に無数に存在します。

乳ガンは、母乳をつくる腺房の集まっている小葉と呼ばれる部位や母乳乳首に送る乳管と呼ばれる細い管から発生するとされます。

発生頻度は、乳管から発生するケースが多く全体の過半数を超えるとされ、左右では、左が多く、部位は左右とも外側上方が多いとされます。

自己検診は、月経開始後10日目くらいに行いますが、理由は、この時期は黄体ホルモンが分泌されていないため乳腺が収縮しているためしこりを見つけやすいからです。

閉経後の人は、日を決めて月に1回程度は自己検診すると良いでしょう。

初期にはしこりに痛みが無い事が多いとされ、形は一定ではないが境界ははっきりし動かないのが普通とされます。

出血

乳首からの出血がある場合は可能性が高いとされ、また、乳ガンからの転移による腰痛、脇の下のリンパ節の腫れ、があった場合は、シコリがないかどうか確認する必用があります。

しこり以外の症状

しこり以外では、皮膚のひきつれ、乳首からの異常分泌、乳頭部の湿疹やただれなども症状にも注意が必要です。

がん組織はくずれやすくもろいので出血しやすくなっているとされます。

ガンの症状に似た他の病気

自己検診でシコリがあっても全てがガンというわけではなく似た症状を示す、乳腺炎乳腺症、線維腺腫などがあります。

乳腺炎

授乳に不慣れな初産婦によくみられる症状とされ乳汁のうっ滞や細菌感染によって起こるとされます。

腫れや発赤があり、痛みが強く、発熱もあるとされます。

ただ、乳ガンの中には皮膚に発赤をともなう炎症性乳ガンもあるとされます。

乳腺症

ホルモンなどの関係で、乳腺組織が腫れたり、シコリができ、月経前には症状が強くなり、痛む傾向にあるとされます。

30代後半から40代に多いとされ、乳ガンとの区別が難しいとされます。

線維腺腫

10代後半から20代によくみられるとされ、良種の腫瘍で大きくなることはなく、シコリの境界がはっきりしているとされます。

痛みはなく、外見からでは乳癌との区別が難しいとされます。

リンパ節への転移

ガンが進行すると皮膚や乳頭が陥没したり、皮膚が赤くなったりただれたりする症状が出てきます。

この症状はページェット病に似ていますがページェット病ではしこりは感じられません。

乳がんはリンパ節へ転移するとわきの下のリンパ節にふれるようになり、進行するとリンパ節への転移は広がり、骨、胸膜、肺、脳、皮膚へも転移します。

受診する科

しこりを感じたら専門医を受診する事が大切で、婦人科や乳腺外科に相談すると良いでしょう。

内科、外科、乳腺外来

乳がんの進行期

進行期進行状態
Ⅰ期しこりの大きさが2cm以下で転移が無い。
Ⅱ期しこりの大きさが2~5cmで、わきの下のリンパ節への転移が無いか、あってもやわらかく少数である。
Ⅲ期しこりの大きさが5cm以上か、わきの下のリンパ節転移が多数ある。
Ⅳ期しこりの大きさにかかわらず、肺や肝臓への転移がある。

検査

問診、視診、触診の後に、マンモグラフィー装置によるエックス線撮影、超音波エコー検査を行い乳房の異状をチェックします。

検査の種類は、X腺、超音波検査、サーモグラフィー、分泌液、乳管撮影内視鏡検査、穿刺吸引細胞診がなされるとされます。

しこりや乳頭からの分泌物がある場合には、注射器でしこりから細胞の組織をとって調べる穿刺吸引細胞診を行います。

これらの検査でも確定できない場合は、一部の組織を切除して病理検査である生検が行われます。

治療

乳癌の治療は手術が中心となりますが、ガンの進行度、性質、本人の希望などが勘案され適切な方法がとられます。

ガンの性質進行度により術式が選択されますが、個々の患者に合った手術を選ぶとなると選択の幅は多くはないとされます。

乳房の切除をどの範囲にするか、前胸部の筋肉、リンパ節をどこまで広く切除するかで術式が変わるとされます。

手術の種類には、定型乳房切除術、拡大乳房切除術、非定形乳房切除術、乳房温存術などがあるとされます。

ホルモン療法

乳がん治療では、化学療法、放射線療法などとともにホルモン療法が行われることが多いとされます。

乳がんは女性ホルモンの影響を強く受けるためその働きを抑える抗ホルモン剤の投与が有効である場合があるからです。

全てのガンに抗ホルモン剤が有効で有るわけではなく、ガン細胞にホルモンを受けるレセプターがある場合に限られます。

乳房温存療法

Ⅰ期では温存療法がとられることが多く、手術ではしこりと近くのリンパ節だけを切除します。

リンパ節を取る範囲は医師の判断により異なり、乳頭を残す場合と取る場合があります。

リンパ節に転移があった場合は、胸筋温存手術を行ったり、温存手術と放射線治療、抗がん剤投与、ホルモン療法が組み合わされたりします。

胸筋温存手術

乳房とわきの下のリンパ節をとり、大胸筋、小胸筋を残す方法と、乳房とわきの下のリンパ節、小胸筋をとり大胸筋を残す方法とがあります。

Ⅱ期の乳がんではこの手術が行われ、Ⅲ期でもリンパ節転移や筋肉への浸潤が無い場合はこの方法がとられます。

リンパ節転移がある場合は、抗がん剤やホルモン剤投与が行われます。

定型乳房切除術

乳房、大胸筋、小胸筋、わきの下のリンパ節の全てを切除する手術法で、リンパ節への転移が多い場合は、大胸筋、小胸筋の中にもガン細胞が散っていると考えられるため、Ⅱ期、Ⅲa期でもこの手術を行う事があります。

全身療法

Ⅲb期以降の患者には全身療法を優先し手術を行わないか、行っても乳房温存手術を選択するのが一般的です。

Ⅲb期以降では手術でがん細胞を取りきれないと考えられているからです。

全身療法は、化学療法、ホルモン療法、放射線治療が中心で、病気やガンの性質によって変わります。

Ⅳ期では、全身療法が中心で手術を行っても乳房温存手術にとどめることが普通です。

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