胃がん|原因と治療法

胃がんの写真

がんの主な原因

胃がんは日本人にとくに多い悪性腫瘍で、全消化器がんの約半数を占めています。

欧米に比べるとかなり高い割合であるとされ、人種的なことや、食習慣などの差異が原因であるとされています。

日本では、50歳~60歳代の男性が胃がん患者の6割を占めています。

胃がんの発生原因はまだ解明されていませんが、生活習慣に大きな関連があると考えられています。

過食、早食い、喫煙、飲酒、塩分の濃い食事を好む人に危険度が高く、これらの環境要因が人が持っている、がん遺伝子の誘発要因になっているのではないかと考えられています。

また、無症状である期間がかなり長く、症状が出たとしても、他の胃病と間違えやすく手遅れになりがちであるとされています。

胃がんの主な症状

初期のころは、何の自覚症状もなく、何となく胃が重い、食欲がない、など、他の胃腸病で見られるものと同じです。

ガンが進行すると、前述の症状が次第に強く現れ、やがて体重減少、貧血、倦怠感などが見られます。

さらに進行すると、胃のあたりにしこりを感じたり、腹水がたまったりして、その頃には他の部位に転移している可能性が高くなります。

胃がんの主な進行度

世界で最も胃がんの発生率の高い日本では、以前より胃がんの検診が盛んに行われてきました。

検診技術はめざましく進歩して、胃の粘膜だけにとどまっているがんの早期発見が出来るようになりました。

早期癌を分類すると自覚症状としては、65%が腹痛を訴えています。

もたれや重圧感が大部分を占め、やせや貧血、吐き気を伴うものはごく少数です。

そのため、ほとんどが集団検診や人間ドックにより発見されています。

病気の進行はきわめて遅く、なかには1~3年にわたりほとんど病巣が変化しなかった例もあるようです。

リンパ節のガン転移も非常に少ないとされ、手術の成功率は90%以上にのぼっているようです。

この早期胃がんに対して、がんの浸潤が胃壁の筋層より深くに達するものを進行がんと言います。

自覚症状は、初期のうちは全くなくある程度進行してくると、徐々にあらわれるのが普通です。

もっとも多いのがみずおちの痛み、胃が膨れる、次いで吐き気、食欲不振、全身のだるさ、げっぷ、下痢などが2割程度の患者に見られます。

これらは胃がんに限った症状ではありませんが、げっぷをした時に、卵のくさったような悪臭があったり食べ過ぎでもないのに頻繁に下痢をするといった症状がみられたら胃がんを疑ってみてもよろしいかもしれません。

その他、他覚症状として、貧血、体重減少、むくみ、しこりなどがあげられます。

貧血は、腫瘍からの出血やがんによって血液生産が低下するために現れる現象で、少量の場合は一般人にはわかりにくいとされています。

その状態が長く続くと次第に血液が失われ、顔色が悪くなってきます。

貧血は、比較的初期の胃がんでも約6割にみられる症状であるとされ、早期発見の重要な点であるとされています。

体重減少は、食欲の減退や消化不良などで栄養が十分吸収されず、摂取した栄養もガン細胞の発育にとられることで起こるとされています。

つまり、痩せるのはかなりガンが進行していると言えます。

むくみは、栄養の低下により起こるもので痩せるとともに現れてきます。

しこりは、胃がんのしこりはよほど大きくならないと外部からはわからないとされています。

しこりが、自覚できるようになってからではかなり進行が進んでいるとされています。

癌はいちばん内側の粘膜上皮に発生し、しょう膜に向かって広がります。

粘膜下部組織までならば、治癒力は90%以上と高いのですが、筋層に達した進行胃がんでは、リンパ節に転移している場合も少なくないそうです。

また、ガンがしょう膜を突き破り、腹腔内でガン細胞が増殖する「腹膜播種」になると、治癒率は50%を下回るとされています。

手術後5年たっても再発しなければ、その癌は完治されたとされ、目安になるのが5年生存率であるとされています。

胃がんの主な検査法

X線診断

X線写真を撮影して、胃がんに伴うガン性の潰瘍や変形が胃壁にないかを調べます。

内視鏡診断

X線で胃の病変が確認されると、内視鏡を用いて更に詳しく胃全体を調べます。

生検

胃の疑わしい組織を内視鏡で採取し、病理学的な検査でがんかどうかの判定をします。

腫瘍マーカー診断

体内に腫瘍マーカー(ガン細胞があると産出される物質)の有無を血液検査で調べます。

胃がんリスク(ABC分類)2立体画像

自分でできる胃がん検査キット

胃がんの主な治療法

「外科療法」

ガン細胞に侵された部位を外科手術によって取り除くもので最も根治率の高い方法です。

早期癌には特に有効であるとされ、ガンの進行が粘膜層にとどまっていれば100%近く、粘膜下組織ならば90%程度完治するとされています。

「内視鏡療法」

早期癌で病巣がごく小さく転移の可能性が低い時に、先端にレーザーを取り付けた内視鏡で病巣を焼き切る治療が行われます。

マイクロ波をあてて病巣を固めたり、高濃度のエタノールを注入してガンを壊死させて広がりを食い止める治療も行われています。

「化学療法」がんが進行して手術不可能な患者の延命手段として抗がん剤が投与されます。

また、手術の補助手段として用いられ、手術の効果をより高めるとされています。

胃がんの治療

胃がん治療の根本は、早期発見、早期治療です。

がんの発見が遅れると手遅れになるのはがん細胞が転移するからです。

がんは、正常な細胞がなんらかの原因で突然変異を起こし増殖します。

このがん細胞は、一つの臓器の中で増えるだけなら、その臓器を切り取るなどの方法で処理することができますが、血液やリンパ腺の中に入って他の臓器に転移し始めると手遅れになります。

胃にできたがん細胞はどんどん増殖して、大きなかたまりになったり、胃の内面をはうように胃全体に広がります。

かたまりとなった癌は食べ物の刺激により先端が崩れ潰瘍を作ることがあります。

また、胃の内面に広がったガンは胃の働きを止めて胃をかちかちに硬くしてしまいます。

ガンが増殖すると食べ物を食べることが出来なくなり衰弱します。

胃がんの転移は、リンパ腺に起こりますが、胃には多くの血管やリンパ腺が集まっているので転移しやすい部位だと言われています。

一般的には、若い人のほとんどは悪性で、増殖も早く、転移も早い傾向になります。

早期手術による根治率は9割以上

検査でごく初期の内に発見されたものは手術により9割以上は根治されるようになりました。

根治率とは、手術後5年以上再発しない場合を言います。

たとえ、手術で胃を全部切り取っても腸がその代わりをしてくれるとされています。

手術後の半年から1年間くらいは食生活に十分な注意が必要ですが1年以上たてば食事が取れるようになります。

手術のため入院に要する日数は、ごく順調な場合で最低1ヶ月程度とされています。

このページの先頭へ