急性膵炎と慢性膵炎

膵炎を診察する医師

体の中の血液をろ過する器官である膵臓の炎症には急性膵炎と慢性膵炎があります。

急性膵炎

胆嚢炎(たんのうえん)によって、病原菌を含んだ胆汁が膵臓の膵管内に逆流し炎症を起こす病気です。

また、膵管の一部が狭くなって膵液がうまく流れ込まず膵臓をとかしてしまうことからも起こります。

症状はの激しい痛み、嘔吐、呼吸が浅くなるなどのショック症状を呈します。

脂肪分の多い食品を食べたりアルコールを飲んだ後にも起こることが多く早急な入院治療が必要です。

急性膵炎の治療

重症急性膵炎の場合は集中治療管理が必要となってくるとされます。

絶食・絶対安静とし、循環血漿量の維持のため輸液投与を行うとされます。

通常成人では1日1500~2000mlの水分が必要となるが急性膵炎では、その2~4倍量の輸液が必要となるとされます。

重症例だけではなく軽症例も十分な細胞外補充液を用いて初期輸液を行うべきとされています。

蛋白分解酵素阻害薬の投与が行われます。

重症急性膵炎に対する蛋白分解酵素阻害薬の大量持続点滴静注は死亡率や合併症発生率を低下させる可能性があるとされます。

慢性膵炎

膵管が細くなって膵液の流れが悪くなった状態でひどくなると膵管の中に結石が出来ます。

症状は急性膵炎より軽く、お酒を飲んだ後や脂っこい食事を取った後に胃のあたりに重苦しさを感じます。

慢性膵炎では、膵臓の組織が回復不可能な変化を起こすので、治療は進行を抑えることが基本となります。

慢性膵炎の治療

禁酒

アルコール性の慢性膵炎の場合は、何よりも禁酒が必要とされます。

急性膵炎の予防の場合は飲み過ぎないことが基本でしたが、慢性膵炎では節酒ではなく、絶対的な禁酒が求められます。

禁酒が守れるかどうかが、治療の将来を決定すると言うほど、重要な要素となります。

膵石を取り除く

膵石は、取り除くのが基本です。従来は手術で取り除きましたが、最近は体外から衝撃波を当てて、膵石を細かく砕いて体外から流してしまう体外衝撃波治療も行われています。

合併症の治療

また、膵嚢胞も治療を必要とすることがよくあります。

従来は開腹手術で取り除きましたが、最近は内視鏡を使った治療や腹腔鏡を使っての治療も開発されています。

膵液の流れが悪いために膵管が拡張して痛みが続くときは、管と腸をつなぐ手術も行われます。
 
膵炎が原因で糖尿病になっている場合は、インスリンの分泌不足が起こっているので、インスリンを補充して、糖尿病の治療を行います。

薬物療法

痛みを和らげる、膵液の分泌を抑える、消化酵素を補うなど、それざれの症状に対する総合的な薬物治療が行われます。

食事療法

アルコール性慢性膵炎の場合でも、アルコール以外の食事の要因が関与していることもあるので、食事療法も重要です。

過食を控え、脂肪の摂取を制限し、また、刺激物などの膵液の分泌を促進するものを避けます。

日常生活の注意

慢性膵炎で傷害された膵臓の組織は、再生されません。

一度失った機能は取り戻せないので、これ以上、膵臓の機能を落とさないことがポイントとなります。

そのためには、規則正しい日常生活を送るなど、きちんと自己管理を行うことが大切です。

いかに自己管理を成功させるかが、慢性膵炎とつきあっていくポイントといえるでしょう。

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