B型肝炎|キャリアの10%が慢性肝炎3%が肝硬変と肝癌に

HBV(B型肝炎)

(提供元:国立感染症研究)

B型肝炎ウイルスの中では感染力の強いウイルスで、血液や体液を介して感染します。

日常生活の場で感染する危険性は、きわめて低いものとされます。

慢性肝炎とは、通常6ヵ月以上肝炎が続いている状態を指します。

発症頻度

日本の急性肝炎の30%、劇症肝炎の40%、慢性肝炎の20%がB型肝炎ウィルス(HBV)によるものとされています。

昔の日本では200万人を超えるHBVキャリアが存在すると言われていましたが、現在は人口の約1%の、100万人~150万人に減少しているとされています。

慢性肝炎を発症するのはこの内10%とされ、B型慢性肝炎の患者数は全国で15万人とみられています。

キャリアの3~4%は慢性肝炎から肝硬変、肝ガンへと進展し年間1万人前後が死亡しているとされています。

また、B型きゅうせい1~2%が劇症化すると言われており年間1000人前後が亡くなられているようです。

部位/病名B型肝炎
尿道-
精液
尿-
外陰部-
膣分泌液
ただれやイボ-
血液
肛門直腸-
便-
口腔・のど-
唾液

感染ルート

水平感染と垂直感染に分かれます。

水平感染は、輸血、注射、鍼治療、刺青、セックスなどによりキャリアの血液や精液に接触した際に感染します。

HBs抗原陽性やHBc抗原量の多い血液のスクリーニングが実施され注射器が使い捨てになったことで、輸血や注射などの医療行為による感染の心配はほとんどなくなりました。

減っていない感染は性行為による感染で知識の普及が待たれます。

他方で、垂直感染とはキャリアの母親から赤ちゃんに伝染る母子感染のことで95%が出産で産道を通過する際に感染することがわかっています。

キャリアとは

B型肝炎ウィルスに感染している人は、HBs抗原と呼ばれるウィルスのタンパク質が常に血液中に存在しています。

このHBs抗原の陽性が6ヶ月以上続いている人をB型肝炎を運ぶ人、つまりキャリアという呼び方をされています。

B型肝炎では、キャリア化した人の10%が慢性肝炎に移行します。

残りの90%以上の人が急性発症をするか、肝炎を生じないまま無症候性キャリアになります。

経過

経過は感染した年齢によって大きく異なるとされます。

成人後の水平感染では、70~80%の人が症状の発症しない不顕性感染で済み20~30%が急性肝炎へ移行するとされます。

B型急性肝炎では、1~6ヶ月、平均すると約3ヶ月の潜伏期間をへて発症します。

全身の倦怠感、発熱、頭痛を伴う風邪に似た初期症状が1~2週間続いた後黄疸が2~4週間続きます。

黄疸が消える頃には、GOT、GPT値も正常化して肝炎がおさまります。

他方で、垂直感染や3歳ころまでの水平感染では85%がキャリア化すると言われています。

キャリアの肝細胞ではウィルスが活発に増殖を続けて血液中のHBs抗原が高値で陽性を示します。

思春期から25歳ごろまでに、異物に対する免疫機構が目覚め攻撃を開始します。

多くは肝障害が軽く、自覚症状がないまま肝炎がおさまるとされ急性肝炎と同様の症状が出ることもしばしばあるとされます。

一過性の感染とは異なり、持続感染からの発症なので、これを急性肝炎とは区別してキャリアからの急性肝炎と呼ばれます。

キャリアの10%は、HBえ抗原が要請で、GOT、GPT値の異常が続きこの肝炎が慢性に移行するとされています。

キャリアの3%~4%、つまり慢性肝炎になった人の3人に1人が肝硬変か肝がんを発症するとされています。

他方で、キャリアの残り90%は、肝炎がやがて沈静化して、HBe抗原が陰性にHBe抗体が陽性になります。

これは、ウィルスが肝細胞から排除されたわけではありませんが免疫機構によって活動を抑えられた状態でセロコンバージョンと呼ばれます。

キャリアの多くはこのセロコンバージョンが続き、以降は肝炎を起こさない無症候性キャリアとして普通に日常生活を送れます。

慢性肝炎に移行したキャリアの場合もHBe抗原のセロコンバージョンが起これば肝炎がおさまることから、以前はこのセロコンバージョンがB型肝炎の治療の目標とされていました。

しかし、セロコンバージョンに至った患者さんの経過を観察すると肝炎をぶり返したり、肝硬変に移行するケースもしばしばあるようです。

よくHBVをりんごに例えることが多いようで、HBs抗原が皮、HBe抗原が果肉にあたり、芯の部分にはこれらのタンパク質を合成するための情報である遺伝子のDNAがあります。

HBe抗体がこの抗原に刺されば、肝細胞もろとも白血球に食べられ排除されます。

これがHBe抗原のセロコンバージョンですが、肝炎がぶり返すということは、芯にあるDNAが変異をしたこを意味します。

DNAが変異をすると、タンパク質も変わり、この変異をしたHBVを変異株と呼びますが、抗体では対処ができません。

セロコンバージョン後も血液中のBV-DNAが多い人は、ウィルスの変異株が増殖を続けており慢性肝炎のぶり返しだけではなく時に劇症肝炎を誘発する可能性もあるので注意が必要とされます。

治療法

B型急性肝炎では、1~2%が劇症化するとされ、黄疸期は入院して経過を見るのが最良とされます。

B型慢性肝炎では、安静と食事療法が中心となり抗ウィルス薬や免疫調整薬も投与されます。

抗ウィルス薬では、インターフェロン、ラミブジン、免疫調整薬ではセロシオン、サイモシンalなどの新薬も登場して大きない期待を集めています。

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