胃腸病の早期発見のための検査方法の種類

血管造影X線診断装置

早期発見は全ての病気の治療の基本となります。

胃がんを例に取ると、初期のうちでなら手術で9割以上の方が完治するようになったと言われています。

問題は、いかに初期の内に発見できるかです。

ガンを100%防ぐことはできませんが早期発見することが有効な予防法と言えるかもしれません。

日本の早期発見技術は世界最高峰ですがガンがみつかるのが怖くて検診をうけないと手遅れで命を落とすほうがよほど恐怖すべきことなのです。

X線検査と内視鏡

上部消化管のX線検査

食道から十二指腸までをX線で観察する検査では、食道炎・食道潰瘍・食道がん・食道裂孔・ヘルニアなどの食道の病気、炎・胃潰瘍・胃がん・胃下垂などの胃の病気十二指腸潰瘍などの十二指腸の病気を診断することができます。

検査にあたっては、粘液面の状態をよく見るために造影剤である硫酸バリウム製剤を飲む必要があります。

胃の中を空にするため、原則として検査の前日18時頃に夕食を取り以降は絶食して水分を一切口に入れずに病院へ行きます。

検査前に飲むバリウムは、ゆっくり飲むようにします。

発泡錠は長く口に含んでいると口の中が泡だらけになるので一気に飲むようにします。

また、胃の動きを抑制する筋遮断剤は緑内障の患者には危険なので前もって申告をする必要があります。

妊娠の可能性がある場合も、事前に申告する必要があります。

女性は「つわり」を胃腸の病気と間違うことがあるので注意が必要です。

検査後は、よくうがいをしてバリウムが固まることを防止するため体内に吸収されない糖分を水とともに飲みます。

病院から帰る時は自分で運転しないように気をつけましょう。

また、便秘をしやすい人は、S状結腸から直腸でバリウムが固まることがあるので医師にその旨伝えて緩下剤をもらうようにしましょう。

バリウムは重く、便とまじると硬くなります。

体質によっては、3日間くらい便が白くなることがありますが排出されれば問題はありません。

検査の結果は、透視しているのでその場でわかりますが詳細は読影、診断した後になるのが普通です。

大腸X線検査

上部消化管同様に、大腸のX線検査も大腸を空にする必要があります。

胃を空にするのと違い、糞便を排出しておかなければなりません。

現在一般的な方法は、脂肪分や繊維を含まない検査食をとり更に下剤を飲んで腸を空にする方法です。

便秘の強い人や腸が炎症を起こしている人は下剤を使えないため浣腸だけの場合もあるようです。

造影は、肛門からバリウムを入れて行います。

検査後便意をもよおすことが多く、排便とともに排出されます。

排便後の食事は、消化の良い刺激の少ないものをとりアルコールも避けるように指導されます。検査の翌日からは、通常の食事に戻してかまいません。

内視鏡検査

X線検査が粘膜の凹凸を影でとらえる検査であるの対して内視鏡検査は直接粘膜面をのぞき色調を見る検査であると言えます。

代表的なのは胃カメラで、最近では胃、食道、十二指腸、大腸専用のファイバースコープや電子内視鏡で検査をすることが多いようです。

ファイバースコープとは、細いガラス繊維を4万本以上を束ねて1本1本から入った光が繊維の中を通り体の外に送られるようにしたものです。

胃の中のごく小さな変化も直接見ることができるため同時に撮影することも可能です。

胃腸の病気をもれなく検査するためにはX線検査と内視鏡検査の併用が理想的であるとされています。

上部消化管内視鏡検査

胃炎・胃潰瘍・胃がん・ポリープなどの胃の病気食道潰瘍、食道がんなどの食道の病気を調べる検査です。

検査は通常、胃液の分泌が少ない早朝の空腹時に行われます。

前夜は午後7時までに夕食を済ませ、以降は固形物を一切とらずに就寝します。

当日は、X線検査同様に水分や食事もとらずに病院へ行きます。

検査の前処置は、胃液の分泌を抑える鎮痙剤の注射と胃液に混じった粘液や気泡を消す消泡剤の服用のどの麻酔の順で行われます。

喉の麻酔は、麻酔液でうがいをするか薬を飲むかどちらかの方法でなされ

麻酔が効いていないと検査が苦しくなります。

十分に麻酔がかかっていない時は医師にその旨伝えましょう。

ファイバースコープは、大きな錠剤を飲み込む要領で飲み込みます。

喉をとおってしまえばあまり苦しくはありません。

検査中苦しくてもファイバースコープには手を出さずに手で合図するように注意を受けるはずです。

声を出すと検査後に喉が痛みます。

げっぷがでそうになってもこらえなくてはなりません。

尚、ファイバースコープを挿入するときに出血をすることもあります。

検査後はよくげっぷを出すようにして、うがいもしてのどの麻酔を取り除きます。

30分くらいして水を飲みむせなかったら麻酔がきれた証拠となり食事が可能となります。

刺激が少ない食べ物が理想でアルコールはとれません。

大腸内視鏡検査

大腸がん・潰瘍性大腸炎・大腸ポリープ・大腸憩室炎などの大腸の病気を調べます。

直腸鏡検査、結腸ファイバースコープ検査、電子内視鏡検査の三種類があり部位により使い分けされます。

直腸鏡検査は普通、浣腸をして十分に排便がされた後に観察します。

結腸ファイバースコープと内視鏡検査は、大腸を完全に空にする必要があるので検査食を食べた後に下剤で便を排泄し、当日は水分も取ることができません。

痔などの肛門周囲に以上がある場合は申告する必要があります。

ファイバースコープの押し込みで痛みがある時は医師にその旨伝えます。

強い下剤や食事制限により体調が悪化した場合も医師に相談が必要です。

検査後は、ガスを出して安静にしてから帰宅します。

腸が空の状態なので、刺激の少ない食事が必要です。

便や吐物の検査

糞便の検査では、寄生虫卵の有無、病原菌、消化の状態出血の有無などが調べられます。

いずれも新しい便である必要がありますが、出血の有無を調べる場合は3日間くらい前から肉や魚を制限されるのが普通です。

毒物や細菌などの有害物質を食べて吐いたと思われる時は吐物を医師に見せます。

胃液・十二指腸液の検査

胃液は、食べ物、飲み物を消化する働きがあります。

胃の機能が十分に働いているかどうかを調べるときに胃液検査がされます。

胃液の吸引採取は細いゴム管かビニール管の先に丸い金属がついている胃管を飲み込んで行われます。

胃液中の塩酸やペプシンの量を測定したり胃液に含まれる微量の物質を調べるのに使われます。

十二指腸液の検査では、胃管より長い管を十二指腸まで挿入し採取します。

胃液も十二指腸液も採取までは2時間位かかるため検査前にトイレへ行っておく必要があります。

胃粘膜の生検

胃粘膜のごく一部を切り取り、顕微鏡でその組織の反応を観察します。

ファイバースコープの先に生検用の小さな鉗子がついているものがあり肉眼で観察しながら検査をしながら採取することが可能となりました。

この検査では、腫瘍が悪性か良性かを判断するために使われます。

血液検査

体のどこかに腫瘍ができると、血液中や排泄物中に、たんぱく質や酵素、ホルモンなどの特別な物質が増えてきますが、それが腫瘍マーカーと呼ばれるものです。

腫瘍マーカーの中でも特によく使われるCA125、CEA、AFP、CA19-9、PSA、TPA、などです。

腫瘍の種類や発症部位に特有の物質と、そうでないものがあります。

それを検出するのが腫瘍マーカー検査で、腫瘍の発生やその種類、進行度などを判断する手がかりになります。

腫瘍マーカーの産生量に個人差があり、その増減を測定すること有用です。

腫瘍マーカーを継続的に調べ、それが増加傾向にあれば治療がよい方向に進んでいないことを、減少傾向にあれば治療効果が出てきていることを、また低値の一定レベルで安定するか消失すれば完治したことを、それぞれ判断する手がかりになるからです。

この検査の結果を得て、必要に応じて確定するための各種検査を実施すればよいのです。

腫瘍マーカー検査の多くは血液の採取により簡単に行なえますから、自宅でも簡単に検査ができその利用価値が大きいのです。

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