細菌やウィルスによる食中毒

食事中の家族

人間は口から食物を接触し、食物は食道を通りへ運ばれ、胃では胃酸という強力な酸が分泌されており食物を消化し、食物に付着した細菌も胃に運ばれることで殆どが死滅します。

ただし、体調不良で抵抗力が落ちている時や胃酸の出が悪い時付着した細菌の数が多い時は胃では殺菌しきれずに一部の細菌が腸へ運ばれます。

腸には殺菌する働きがないため、細菌が食中毒を起こす細菌で腸内で増殖してしまうと食中毒の症状を起こす場合があります。

また、黄色ブドウ球菌などは菌が産生する成分が毒素となり菌が増殖する前に症状が出る場合もあります。

同じ食事をしても食中毒になる人がいる一方で食中毒にならない人もいますが胃酸の働きの強弱が関係しているとされます。

食中毒の種類

食中毒を起こす細菌による中毒には3つの種類があり、感染型、毒素型、ウィルス型です。

感染型

食中毒細菌によって汚染された食品を食べることで発症する食中毒で食品中の菌数が発症菌数を超えることで起こります。

細菌自体が腸内で炎症を起こすことで炎症、腹痛、下痢を起こします。

サルモネラ菌

特徴:原因となる食品は卵や肉、その加工品が多いとされます。

人間や動物の腸内に生息していることも多く、自然界に広く分布しています。

ネズミ、ハエ、ゴキブリなども保菌しているため、そこから食品が汚染されることもあります。

予防法:熱に弱い菌なので、加熱調理が有効です。

75℃1分以上の加熱で死滅し、低温(10℃以下)では菌が増殖できないので、食べない食材は冷蔵庫などに入れて保存し、早めに食べ終えることで防げます。

症状:潜伏期は12~24時間であり、発症すると気分が悪くなったり、嘔吐・腹痛・下痢などがあり1週間以内には症状が回復します。

腸炎ビブリオ

特徴:原因食品は魚介類が多いとされます。

夏などの気温が高い時期に集中的に発生します。

沿岸部の海水などから検出される海水細菌なので、魚介類が汚染されていることは多いとされます。

予防法:熱に弱い菌なので、サルモネラ菌同様、加熱調理が有効とされ65℃1分以上の加熱で死滅します。

食材を低温で管理し、菌を増やさないことも大切で魚介類とその他の食材(サラダなど)を調理する器具を分けるなどの対策が必要です。

予防法:潜伏期は10~18時間で、発症すると気分が悪くなったり、嘔吐・腹痛・下痢などがあります。

2~3日で症状が回復することが多いとされます。

病原大腸菌

特徴:原因はサルモネラ菌同様、人間や動物の大便が多いとされます。

通常の大腸菌は腸内に常に住んでいる菌ですが、病原大腸菌・侵襲性大腸菌・毒素原性大腸菌の3種が食中毒の原因菌となります。

予防法:熱に弱い菌なので、加熱調理が有効で、食材を低温で管理し、菌を増やさないことも大切で井戸水などの生水にも注意が必要です。

症状:潜伏期は10~30時間で発症すると、腹痛・下痢などの症状が出て、1週間以内には症状が回復するとされます。

O-157(腸管出血性大腸菌)

特徴:病原大腸菌の一種で人から人に感染しやすく、菌数が少なくても症状が出るのが特徴です。

予防法:熱に弱いので75℃1分以上の加熱で死滅します。

症状:菌の産生する毒素により、腹痛・下痢・血便などの症状が出ます。

カンピロバクター

特徴:動物の腸内に生息し鶏肉などが汚染されていることが多いとされます。

予防法:熱に弱いので70℃1分以上の加熱で死滅します。

毒素型

体内に入る前に菌が毒素を産生し、毒素が体内に入ることで様々な症状を引き起こします。

菌が体内に入らなくても毒素が付着していれば中毒症状が出ます。

黄色ブドウ球菌

特徴:原因食品はおむすびなどの弁当などが多いとされます。

健康な人も鼻や咽頭、手指などに保菌していることが多いとされ傷などにも多くの菌がいるため、汚染源となりやすいとされます。

予防法:菌自体は加熱調理によって殺すことが出来るが、菌が産生した毒素は通常の加熱では破壊されません。

調理時・保存時の衛生管理が重要となります。

症状:潜伏期は1~5時間で、悪心・嘔吐や腹痛・下痢などの症状が出ます。

症状の発生が早く、回復も早いことが多いとされます。

ウェルシュ菌</strong>

特徴:原因食品は肉や魚介類や、その加工品などのタンパク質食品が多いとされます。

人間や動物の腸内に常にいる菌であり、自然界にも広く分布しています。

予防法:菌は加熱調理によってある程度殺すことができますが、芽胞を形成して生き残るものもあります。

加熱後は早めに食べるか、菌が発育しないうちに冷却して保存する事が大切とされます。

また、嫌気性の菌なので、包装された商品でも衛生管理・温度管理はきちんと行うことが重要です。

症状:潜伏期は6~18時間で、発症すると腹痛・下痢などの症状が出ますが発熱はありません。

1~2日で症状が回復する事が多いとされます。

ボツリヌス菌

特徴:原因食品は密封して発酵させた食品や、辛子れんこんなどでの発生事例がありますが件数は少ないとされ、土壌、海・河川などに広く生息しており、汚染の機会は多いとされます。

予防法:毒素は80℃30分ほどのやや強めの加熱で破壊されます。

ボツリヌス菌は嫌気性の菌であるため、食品を密封して保存する場合も、十分な加熱と衛生管理、低温での保存が大切で食前の加熱調理も予防に有効とされます。

症状:潜伏期は12~36時間で、発症すると脱力感、倦怠感、瞳孔拡大などの症状が出ます。

呼吸失調により死亡する場合もあり致死率3割ともいわれます。

ウィルス型

ウィルスは菌に比べて小さく、器官の粘膜から侵入する特徴があります。

ノロウイルス

特徴:ウイルスに汚染された二枚貝(カキ、アサリ等)での感染が疑われますが実際は感染者の糞便や嘔吐物による感染が殆どで学校や病因、老人ホームでの集団感染が多いのが特徴です。

冬場の発生が多く、感染力も強いため、調理器具やトイレなどでの二次汚染には注意が必要です。

予防法:熱に弱いので、加熱調理が有効で85℃1分以上の加熱で死滅するとされます。

症状:潜伏期は24~48時間で、発症すると腹痛・下痢・発熱などが主な症状とされ通常は3日以内に回復しますが抵抗力の弱い人は重篤化します。

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