施設内の伝染病と感染対策

ナースステーション

病院には免疫力の落ちた患者が多く入院しており、高齢化社会の現代では免疫力が落ちた高齢者の比率が高くなっています。

また、病院では手術を受けた人や臓器移植を受け免疫抑制剤を飲んでいる人抗癌剤を飲んでいる人など免疫力の落ちた人が多数います。

免疫力の落ちた人は病原体に感染しやすく易感染者と呼ばれます。

健常な人では感染を起こさない微生物が感染症を起こすことも有り、このような感染を日和見菌感染と呼びます。

日和見菌とは、通常は外を及ぼさないが保菌者の体力が低下すると増殖して猛威を振るう細菌です。

日和見菌の詳しい解説はコチラ

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSAが発症の多い日和見菌で、医療従事者が院内で菌を運び伝播経路となります。

他の院内感染のパターンとして、点滴溶液中で細菌が増殖する場合があります。

点滴液は栄養分が豊富で細菌が増殖しやすい環境であり看護師などが液の調整などで細菌汚染が起こると中で増殖し、病原菌でなくても菌体成分が静脈注射されると致死的なダメージを与える可能性もあります。

老人養護施設では、世代によりウィルスの感受性も変わります。

高度成長期以降の生まれの人は、A型肝炎ウィルスの抗体を持っておらず、そのような入所者が集団生活をすれば多数のA型肝炎の感染症患者が増えます。

施設内の感染対策

1:感染源の排除

2:感染経路の遮断

3:宿主の抵抗力の向上

感染源の排除

感染症の原因となる微生物を含むものを感染源と言い主な感染源として下記のものが挙げられます。

1:嘔吐物・排泄物

2:血液・体液・分泌物

3:使用済の器具、器材

4:上記の感染源に触れた手で取り扱った食品等

特に、手洗いと消毒は予防措置の中でも特に重要です。

感染経路の遮断

感染経路には、接触感染、飛沫感染、空気感染、血液媒介感染があります。

主な感染経路と原因微生物は下記の通りです。

1:接触感染・・・手、食品、器具を介する伝播経路。

主な原因微生物:ノロウィルス、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌等

2:飛沫感染・・・咳、くしゃみ、会話などのよる飛翔粒子を媒介とした伝播経路

主な原因微生物:インフルエンザウィルス、風疹ウィルス、レジオネラ菌等

3:空気感染・・・咳、くしゃみなどによる飛沫核として伝播する。

主な原因微生物:結核菌、風疹ウィルス、水痘ウィルス等

4:血液媒介感染・・・病原体に汚染された血液、体液、分泌液が事故等により体内に入り感染する。

主な原因微生物:エイズウィルス、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス

感染経路の遮断とは下記の3点を指します。

1:感染源を持ち込まないこと

2:感染源を持ち出さないこと

3:感染源を拡げないこと

これらを実行するためには、手洗い、うがい、環境の清掃が重要となります。

また、血液、体液、分泌液、嘔吐物、排泄物などを扱う時は手袋を着用し、これらが飛散する可能性もあるのでマスク、エプロン、ガウンを着用する事も大切です。

宿主の抵抗力の向上

衛生管理の徹底に加えて、入所者の抵抗力を上げることも大切です。

健康状態を把握するためにも、栄養状態の把握、食事の摂取状況や定期的なバイタルサインの測定も有効とされます。

高齢者の場合は、痰の排出能力が低下している事もあり発熱や炎症反応なども弱く見た目は軽症に見えることもあるので注意が必要です。

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