様々な乳製品

古来から伝わる身近な発酵食品にも乳酸菌が住んでおり私たちはこの腸内細菌の恩恵を受けてきました。

乳酸菌とは、ブドウ糖や乳糖などの糖を分解して、乳酸を生産する細菌の総称です。

ヨーグルト、チーズなどの乳製品、漬物、味噌などの伝統的な発酵食品に関わる微生物として、昔から食生活の中にありました。

近年、乳酸菌は、腸内環境を改善するなどの善玉菌として健康に有用であると認識されプロバイオティクスとして注目されていますが、元々は防腐作用などのために乳酸菌の発酵作用を利用してきました。

乳酸菌を利用することで、食品には下記の作用が期待できるのです。

  • 乳酸発酵により、腐敗菌の増殖が抑制され、乳酸の作用と共に食品の保存性が良くなる。
  • 乳酸菌が糖から作る乳酸や他の成分により、独特の風味が生まれる。
  • 乳酸菌や乳酸菌が生産する物質が、腸内環境や健康に役立つ。

現代では数々の加工品が並び、原料、成分、機能により様々な分類がなされています。

発酵乳と乳酸菌飲料の違い

発酵乳とは、牛乳等の乳類に乳酸菌や酵母だどが入った発酵食品でヨーグルトやヤギの乳を酵母によってアルコール発酵させたケフィア、馬乳を酵母で発酵させたクーミスなどがあります。

乳酸菌飲料は、この発酵乳をベースに作られた飲料で、糖液で薄めている分、無脂乳固形分は発酵乳より少なくなりますが菌や酵母が含まれているという点では同じです。

乳酸菌飲料の中でも、含まれる菌の数や状態によって更に、乳製品乳酸菌飲料とその他の乳酸菌飲料に分類されます。

乳製品乳酸菌飲料の条件は無脂乳固形分3%以上、乳酸菌・酵母の数1000万以上(1mlあたり)

その他の乳酸菌飲料の条件は無脂乳固形分3%未満、乳酸菌・酵母の数100万以上(1mlあたり)となります。

また、乳製品乳酸菌飲料には、更に死菌タイプと生菌タイプに分かれ、その他の乳酸菌飲料は嗜好品、清涼飲料水としてとらえられています。

動物性と植物性の違い

乳酸菌が生息するのは、炭水化物、タンパク質、ビタミンなどの栄養素が豊富なところです。

この乳酸菌は棲息する物により大きく分けまして動物由来の乳酸菌(乳由来の発酵食品に多く含まれる)と植物由来の乳酸菌(植物由来の発酵食品に多く含まれる)があります。

ヨーグルトなどに含まれる動物性乳酸菌は、栄養バランスがよく糖分も豊富なミルクの中で育ちますが、植物性乳酸菌は、栄養が少なく塩分や酸度の高い過酷な環境でも生きています。

では私たちの身近にある食品にはどんな食品とこの菌が含まれているのか見てみましょう。

菌属 ビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料、整腸剤
菌種 ブレーべ
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料、整腸剤
菌種 ビフィダム
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料
菌種 ロングム
含まれる食品 ぬか漬けなど漬物
菌属 ラクトバチルス(乳酸菌)
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料、整腸剤
菌種 カゼイ
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料、整腸剤
菌種 アシドフィルス
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料
菌種 ブランタルム
含まれる食品 ぬか漬けなど漬物
菌種 ブルガリスク
含まれる食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料
菌種 ヘルべティクス
含まれる食品 ヨーグルト、チーズ
菌種 ブレビス
含まれる食品 漬物
菌属 ストレプトコッカス(連鎖球菌)
菌種 フェカリース
含まれる食品 整腸剤
菌種 クレモリス
含まれる食品 ヨーグルト、バター、チーズ
菌種 ラクチス
含まれる食品 ヨーグルト、バター、チーズ
菌種 サーモフィルス
含まれる食品 ヨーグルト、チーズ
菌種 ヘルべティクス
含まれる食品 ヨーグルト、チーズ
菌属 ペディオコッカス属
菌種 ハロフィルス
含まれる食品 味噌、醤油
菌種 セルビシェ
含まれる食品 サラミ等食肉加工品

これら様々な腸内細菌が私たちの食卓に上り、食べ物を美味にし腸内環境を健康に保っています。

世界各地の乳酸菌食品の発展

乳酸菌は自然界に広く存在する菌で動物の乳由来の食品を保存する過程で自然と発酵しその美味しさに気づいた人がその時代の社会に広めたことが考えられます。

遊牧民などの家畜から食料を得る方法を会得した文化圏で広く広まっていることが特徴で、世界史から食文化を調べると世界各地で独自の発酵乳が作られ世界各地その土地に住人たちの健康に寄与してきたことがわかります。

その起源をたどっていくと、人間が草食動物を家畜化してその乳を飲むようになったのが始まりだということが容易に想像されます。

西アジア(メソポタミア)の地で牧畜が始まったのが6000年前~10000年前とされていますのでこの時期には発酵乳が作られていたと考えられます。

メソポタミア文明ではシュメール人が牛乳からバターを作る方法を石版に記したものが発見されているようで、飲み残した乳に乳酸菌が入り込み自然発酵したのが起源なのではないかと言われています。

酸味のある飲み物になり、飲むと身体の調子が良くなり保存性も高まり次第に周辺の文化圏に浸透していったのではないかと言われています。

こうして、アジアの西端で始まった発酵乳の食文化は牧畜が盛んであった東ヨーロッパから中央アジアを中心に広まり様々な発酵乳文化を生み出しながら広まっていったと考えられています。

そしてそららの発酵乳はコーカサスでケフィアになりデンマークでイメール、スウェーデンのラクトフィル、ノルウェーのテッテ、モンゴルのアイラグ、中東のレーベン、インドのダヒなど世界各地に根付いていきました。

一方、牧畜がなされていな文化圏の発酵食品はどのようなものなのでしょうか?

人間は血や肉をつくるために魚や肉をとらないといけません。

しかし、パプア族は芋だけを炭水化物ばかり食べているのに筋骨たくましい身体をしています。

腸内の細菌が窒素固定をしているからではないかと言われています。

植物は、空気中の窒素からたんぱく質を作りだしますが動物はできません。

身体のたんぱく質は、肉や魚などを食べて吸収することで、たんぱく質を補っているとされています。

自然界には様々な食品にこの菌が含まれていて特徴や人間に与える効果も様々です。

次は、人類の長年の研究により明らかにされている効果や機能について解説を致します。

プロバイオティクス