薬

黄色ブドウ球菌は食中毒の原因菌として知られていますがアトピー性皮膚炎にも深く関係しています。

健常な人の皮膚には様々な真菌や細菌が定着しています。

これらの菌が黄色ブドウ球菌などの病原微生物をよせつけない役割をしているため、健常な皮膚からは黄色ブドウ球菌はほとんど検出されません。

しかし、アトピーの皮膚には黄色ブドウ球菌が存在してジュクジュクした部位からは100%検出されるとされます。

湿疹が無くてもこの菌は存在しています。

黄色ブドウ球菌が皮膚症状を悪化させる

黄色ブドウ球菌はアトピー性皮膚炎の増悪因子の1つと考えております。

アトピーの皮疹が良くなると黄色ブドウ球菌の菌量は減少します。

皮疹が重症であればあるほど多くの黄色ブドウ球菌が付着しています。

黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎に悪影響を与える仕組みは黄色ブドウ球菌自体がアレルゲンになったり菌が産生する毒素が炎症を悪化させるためであると考えられています。

耐性菌の存在

皮疹がジュクジュクした状態では感染症の懸念から外用抗菌薬が処方されます。

診察を受けずに自分の判断で外用抗菌薬を使うケースも多いようです。

抗菌薬は雑菌の排除に効力を発揮しますが一方で黄色ブドウ球菌を耐性化させMRSAという抗菌薬の効かない黄色ブドウ球菌が出現する可能性があります。

抗菌薬の連続使用

外用抗菌薬の連続使用により黄色ブドウ球菌がMRSAなどの耐性菌が出現するまで1週間程度と言われています。

外用抗菌薬を何ヶ月も使用しても症状が良くならない場合は抗菌薬の使いすぎで耐性菌が出現している可能性があります。

抗菌薬の連用にはデメリットもあることを認識することも大切です。

感染と定着の違い

皮膚からブドウ球菌が検出されても必ずしも感染が起きている訳ではありません。

感染とは好中球という白血球が働いて黄色ブドウ球菌を防いでいる状態で菌が人体に驚異を与えている状態であり抗菌薬が必要です。

定着とは、白血球は菌を排除するための活動をしていない状態で抗菌薬は必要では無いとされます。

この感染と定着の違いは皮膚に付着している黄色ブドウ球菌の数を調べることでわかるとされます。

黄色ブドウ球菌による感染があると病変部に膿や膿を伴う浸出液がついていて赤く腫れたり痛みや熱を伴う状態とされます。

ただし、定着であっても日頃から黄色ブドウ球菌を増やさない減らすようなスキンケアが大切になります。

黄色ブドウ球菌の予防と対策のメリットとデメリット

入浴やシャワーで皮膚を清潔に保つことは黄色ブドウ球菌ではなくその他の細菌やアレルゲン、汗など皮膚の刺激をする物質を取り除くための有効な手段とされます。

通常の殺菌力を持つ石鹸で軽く揉むように洗うのがポイントとされます。

黄色ブドウ球菌は皮膚の表面だけではなく角層の細胞と細胞の間に入り込んで増殖するとされます。

洗うだけでは一時的に菌が減少しても再度残った菌が増殖します。

黄色ブドウ球菌を減らすためには皮膚の洗浄に加えて下記に示す様々な方法があります。

内服薬の抗菌薬

黄色ブドウ球菌が皮膚の増悪因子になっている場合は内服の抗菌薬の服用で菌数が減り症状が軽くなる場合があります。

ただし、1週間以上内服すると耐性菌が出現して抗菌薬が効かなくなる場合があるとされます。

服用期間は感染の場合は5日間が最適とされ定着の場合は3日間が最適とされています。

外用抗菌薬

外用抗菌薬は切り傷の感染防止やひび、おできの感染防止に役立ちます。

ただし、安易な連用は菌の耐性化があるので注意が必要です。

使用は4日間前後の短期間で必要最低限の使用が原則とされます。

ステロイド外用薬

適切な使用により皮疹が軽快すると黄色ブドウ球菌の量が減少するとされます。

皮膚の炎症を抑えるために塗布すると黄色ブドウ球菌が減少し消失するとされます。

皮膚がジュクジュクした状態であっても黄色ブドウ球菌による感染の兆候が無いかぎり皮膚を清潔にした上でステロイド外用薬を塗っても問題無いとされます。

酸化亜鉛含有軟膏

酸化亜鉛は亜鉛華軟膏、亜鉛華単軟膏として湿疹や皮膚炎の時に使用されています。

アトピー性皮膚炎にはジュクジュクした部位を乾かす作用があることから湿疹の対策に用いられています。

酸化亜鉛5%の濃度で黄色ブドウ球菌の皮膚への定着を抑えるとされます。

ヒノキチオール軟膏

抗菌作用とジュクジュクした部位を乾かす作用があるとされます。

現時点では耐性菌の出現も無く安全な方法と考えられています。

イソジン消毒法

イソジン液はブドウ球菌や耐性菌も30秒~60秒で殺菌すると言われています。

抗菌薬と違い菌を耐性化しないことが特徴です。

デメリットとして、人によってはかぶれを起こしたり刺激が強くしみてしまうという点があるようです。

黄色ブドウ球菌はコロニーを作り表面を膜で覆い皮膚に付着してます。

イソジンなどの消毒液だと届きにくく効果が出にくいとされています。

強電解酸性水

水道水を電気分解して作られた殺菌力を持つ水です。

この水で皮膚の表面を洗う方法ですが効果については賛否両論あるようです。

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