肥満男性の診察をする女医

30代ではまだ病気らしい病気にみまわれたこともなく成人病など他人ごとのように考えている人が少なくありません。

しかし、35歳を過ぎると定期健診などで成人病の注意を受けたり肉体の変化に悩む人が増えてきます。

お腹の出っ張りが気になりだすのもこの頃でおなかのダイエットを目指す方もこの年代の方に多く見られます。

お腹のダイエットはもちろん、成人病を予防するには、栄養素のバランスがとれた食事、禁煙、節酒、ストレスの解消、一番大事なのは運動不足にならないライフスタイルが大切です。

運動の効用は範囲が広く、例えば狭心症、心筋梗塞とされる肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などは適切な運動で改善が見込めます。

運動不足は心筋梗塞の要因となりますが、食生活の高カロリー化による要因により日本でも虚血性心疾患が増えてきました。

では、虚血性心疾患の原因とされる高脂血症、高血圧、糖尿病に対する運動の効果とはどのようなものなのでしょうか?

運動の高脂血症に対する効果

東京大学保健管理学教室の調査データでは、ウォーキングをした女性31人について高脂血症に対する運動の効果を調べたデータがあります。

平均年齢約50歳の女性に、運動強度110拍(1分あたり)のウォーキングを1日平均約45分を12週間続けて行った時のデータをとりました。

その結果、血中の総コレステロールの減少とHDLコレステロール(善玉コレステロール)の増加など、成人病に有効な運動効果がみられたとされています。

一方、そのような運動を続けられなかった女性にはそのような良い効果がみられなかったとされています。

HDLとは、善玉コレステロールと呼ばれ、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールを末梢の血管壁から取り除き肝臓へ運んで処理をさせる良いコレステロールのことです。

本能性高血圧予防と改善にも効果

本能性高血圧とは、腎臓病などの病期が原因で起こる高血圧ではなく発症の原因が不明とされる高血圧のことを指します。

つまり、他に病期がないのに、血圧だけが高いという健康そうに見える人の高血圧です。

ただし、気をつけなければいけないのは、降圧の効果があるのは運動強度が最大酸素摂取量の50%くらいのジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を継続した時に限られます。

このような運動を1回60分、週3回ずつ10週以上続けると降圧効果があるとされています。

激しいランニングや筋肉トレーニングなどの無酸素運動をすると逆に血圧が上がります。

また、重症の高血圧の場合は逆に健康には良くないので医師に相談をしながら運動を選択されると良いでしょう。

・糖尿病の改善にも効果的

糖尿病はインスリンというホルモンが不足して起こる病気です。

インスリンが不足すると、食物から摂取した糖質が筋肉や肝臓などの組織に取り込まれず、ブドウ糖が血液中に蓄積して血糖値が上がり様々な傷害を起こします。

インスリンが不足するのは、膵臓(すいぞう)からのインスリン分泌が少ないだけではなく分泌されたインスリンがうまく働かないからだと考えられています。

つまり、糖尿病では筋肉や肝臓の組織のインスリンに対する感受性も悪くなっていると考えられています。

しかし様々な研究の結果、ゆるやかな運動をするとインスリンの働きが良くなることがわかってきました。

例えば、ある実験では、中程度の運動を1年間続けるとグルコース(糖質)代謝量が3倍になったという研究結果も出ているようです。

また、この研究では糖尿病あるいは肥満者に対する運動処方は最大酸素摂取量の4割~6割の強度の運動を1回に10分~15分週3回行うと効果が出ると報告されています。

運動の種目は、ウォーキング、ジョギング、水泳など有酸素運動が良いとされています。

ただし、重症の糖尿病と軽症でも空腹時は低血糖に陥り生命に危険がおよぶ可能性があるため、必ず医師に相談して運動の計画をたてましょう。

また、成人病型と呼ばれるインスリン非依存型の糖尿病は食事療法が治療法の中心になるため、運動療法はあくまで補助的手段となります。

運動だけでは血糖値のコントロールはできません。

もちろん、肥満で糖尿病予備軍といえるような人は適度な有酸素運動は糖尿病予防の効果があります。

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