医師と看護師

発ガン物質の発見まで

ガンの原因は長い間不明とされてきましたが、その後、科学の進歩により様々な原因が発見されるようになりました。

・ガン化の二段解説

発ガン物質にはガン化の引き金になる発ガンイニシエーターと発ガンプロモーターがあることが解明されました。

この二つの物質が促す作用が細胞をガン化するのだとされています。

第一段階のイニシエーターのほとんどは変異原物質と呼ばれる発ガン物質で、いわゆる遺伝毒性を持つこと

細胞の中のDNA(核酸)に作用して、遺伝子を変化させ突然変異を引き起こすことが明らかになりました。

そして、その作用を利用して開発されたテストにより環境中の発がん物質を調べることが可能になったのです。

一方の第二段階の発ガン物質であるプロモーターの作用についても解明が進みました。

活性酸素のような科学的に不安定な物質を生み出して発ガンを促進する可能性や、細胞内のタンパク質にリン酸を結合させる働きをする酵素の活性を高めて発ガンを招くらしいこともわかってきました。

タバコの煙には、イニシエーターとプロモーターが両方共含まれているとされています。

・ガンの予防には禁煙が大切

たばこの煙の中には発ガン物質が数十種類も入っております。

男女ともにほとんどの部位のガン死亡率は、非喫煙者と比べ、喫煙者のほうが高く、1日30本以上吸う人は吸わない人に比べ50倍近くも喉頭ガンになりやすいとされています。

肺ガンも喉頭ガンの場合と同様に1日の喫煙本数が増えるほどリスクは高まります。

その他、多くの部位のガンに同様の傾向のようです。

・食生活の改善が予防になる

禁煙と同じくらい大切なのは、食生活の改善です。

日本人の場合、塩蔵品の摂取を減らすこと、つまり減塩が胃ガンの予防上大切です。

そして、緑黄色野菜や果物を十分にとると胃ガン、腸癌、肺ガン、子宮ガン、旋律腺ガンなどの多くの部位のがんリスクを大幅に低下させるとされています。

つまり、豊富な緑黄色野菜に含まれるビタミン類の摂取が大切なのです。

また、食物繊維の多い食べ物は腸癌を予防する上でも重要です。

また、アルコール飲料は、S状結腸ガン、直腸がん、前立腺ガンのリスクを高め喫煙と重ねると口腔がん、咽頭がん、食道ガンなど上部消化管のリスクを高めます。

多量飲酒は肝硬変を引き起こし、喫煙が重なると肝がんも多くなります。

喫煙と高脂肪食が重なると、膵臓ガン、乳がんなどのリスクが高まります。

これら生活習慣の改善でガンのリスクを下げることが出来ます。

・早期に発見されると治る易ガン

早期発見されれば原則として治癒が可能な一連のガンを易ガンと言います。

子宮頸ガン、乳ガン、胃ガン、大腸ガンがこれにあたり早期ガンの5年生存率は80%を超えるとされています。

このようにがん検査などによる早期発見と早期治療に努めること

初期の段階でガンを治療することを二次予防といいます。

・難ガンの発見に有効な画像診断

一方で、肝ガン、胆道がん、膵ガン、肺がん、食道ガンなどの生存率は依然として悪く、そららを難ガンと分類されています。

以上のように二次予防の効果が大きいかどうかによって癌は、易ガンと難ガンに大別されるようになりました。

そして、ガンの早期発見を中核とする易ガン対策と並行して難ガン対策の開発も研究が進んでいます。

X腺を利用したCTや磁気を利用したMRIなどの画像診断も早期発見には有効です。

また、易ガンのグループに比べて、難ガンのグループは危険因子が既に明瞭になりつつあります。

食生活の改善にあわせて、禁煙、禁酒が徹底されれば難ガンの予防に大きな力となります。

特に肝ガンに対しては、それらの予防に加えてB型肝炎やC型肝炎の対策が加わることで大幅にリスクは低減します。

がん予防の10箇条

  1. バランスのとれた食生活をする。
  2. 過食を避け、脂肪分は控えめに。
  3. 過度な飲酒はひかえる。
  4. タバコは禁煙か、本数を減らす。
  5. 緑黄色野菜を豊富に取り、ビタミンと食物繊維を多く摂る。
  6. 塩分を控える。
  7. 肉や魚の焦げた部分はなるべく食べない。
  8. かびの生えた食べ物はひかえる。
  9. 紫外線にあたりすぎないようにする。
  10. 適度な運動を定期的にする。