体温を測る医師

吸収と排泄という大事な腸の働きが乱れてしまうことがあります。

それが腸炎といわれるもので、腸の粘膜に炎症が起きた状態をいい、症状としては、腹痛と下痢が挙げられます。

急性腸炎

消化の悪いものを大量に食べた時や腐ったものなどを口にした時、寝冷えなどで大腸菌が暴れだしたときなどに起こります。

症状は下痢が主ですが、子供やお年寄りはちょっと下痢が続いただけで脱水症状に陥る危険があるので十分な注意が必要です。

急性腸炎の治療

急性腸炎の特徴は、激しい腹痛と下痢です。

寝冷えなどが原因の軽いものは、2~3回下痢をする位で、自然に治ってしまいますが、重症の時や細菌性の腸炎の場合は高熱とともに1日10回以上も下痢を起こすことがあります。

病院での治療は、まず安静にするように指導されます。

下痢をすると体力が著しく衰えるのでできるだけ安静にして疲労を防ぐ必要があります。

また、虫垂炎の疑いがなければ下腹部を温めると良いとされています。

軽症の場合は、1~2日絶食して、薄い番茶を飲んで水分を補給します。

下痢が止まったらおかゆに梅干し程度の流動食を取り様子を見ます。

そのまま、2日程経過して症状が出ないようなら、柔らかいご飯と刺激物や脂肪分を除いたおかずを取りだんだん元に戻していきます。

まだ、下痢が続いているのに普通の食事に戻して出勤したりすると急性腸炎が慢性腸炎に移行する可能性もあるので十分な注意が必要です。

下痢をしやすい人は抗生物質に頼りがちですが乱用には気をつける必要があります。

軽い下痢を起こすたびに使っていると、抗生物質が効かない耐性菌の出現を招いたり、他の菌が繁殖して別の病気を引き起こしたりする可能性があります。

腸内には常在しないはずのブドウ球菌やカビが増殖して頑固な下痢を招くなどの可能性もあります。

現在、このカビに効く薬は無いので、抗生物質の乱用は控える理由の一つになっています。

一方、発熱、嘔吐を伴うひどい下痢は家庭での治療は無理なので医師の診断を受け支持に従う必要があります。

脱水症状を起こしやすい子どもや老人はブドウ糖の点滴が必要であるのに加えて食中毒や急性伝染病による下痢なら感染経路を調べ他の人への感染を防がなければなりません。

慢性腸炎

症状は1日1回、2回の軟便や軽い下痢が出る程度で急性腸炎の時のような激しい痛みや下痢はありません。

多くの場合、小腸が大腸に炎症が起こっていて小腸炎ならへそのまわりが痛み、おなかがごろごろ鳴ります。

大腸炎では下部が冒されていると下痢が多くなり左下腹部に痛みが出ます。

様々な原因があるため完治には時間がかかるとされています。

細菌による急性腸炎の感染から発病まで

ブドウ球菌:感染から1~6時間で発病

腸炎ビブリオ:感染から12~17時間で発病

サルモネラ菌:感染から8~24時間で発病

連鎖球菌:感染から5~10時間で発病

慢性腸炎の治療

慢性腸炎は、消化吸収の障害や腸内の便の停滞、腸粘膜の過敏などいくつもの原因が重なりあって起こります。

そのため、決め手となる治療法はなく、食生活の改善が基本となります。

急性腸炎のように、食べ物を厳重に制限する必要は無いとされています。

しかし、長期にわたる下痢は栄養不良を招くので消化が良く栄養価の高いものが推奨されます。

アルコール飲料や冷たい牛乳などは避け出来るだけ腸を冷やさないことが大切であるとされています。

薬剤としては、腸内を殺菌するサルファ剤、下痢止め吸収剤の活性炭、ケイ酸アルミニウムなどが用いられます。

これは、医師の指示に従って服用しなければならないことは当然ですが長期にわたる服用は厳禁です。

下痢が続くとだれでも気分がめいるものですが、下痢を恐れて食事をとらないことはいけません。

気分転換の方法を見つけ、心身の健康を取り戻しましょう。