日本酒

大量のアルコールの常習的な摂取が原因で肝臓に障害が起きるものが、アルコール性肝障害です。

過度の飲酒により、肝障害が生じ、エタノール過剰摂取により肝臓における酸素消費量の増大が起こる病気とされます。

また、エタノールの代謝産物であるアセトアルデヒドなども直接肝細胞障害を引き起こすとされます。

病気の初期には、アルコール性脂肪肝を生じ、過度の飲酒を続けているとアルコール性肝炎からアルコール性肝線維症をへてアルコール性肝硬変へと進展するとされます。

常習飲酒の定義とは、「日本酒に換算して毎日3合以上の酒類を5年以上飲み続けること」を指します。

アルコール性肝障害には、肝臓に大量の中性脂肪がたまるアルコール性肝脂肪、肝細胞の壊死や変性を引き起こすアルコール性肝炎、肝細胞の壊死を引き起こすアルコール性肝炎、肝細胞の壊死は引き起こらず繊維だけが増えるアルコール性肝繊維症などがあります。

日本でのアルコール性肝障害は、軽症も含めると人口の2%で300万人になりそのうち5万人が肝硬変であるとされます。

肝硬変全体に占めるアルコール性肝硬変の割合は、かつては30%以上とされていましたがC型肝炎ウィルスの測定が可能になってからはアルコール性肝硬変と考えられていた患者の半数程は実はC型肝炎であるとされます。

アルコール性脂肪肝

アルコールの多飲を続けると肝細胞での中性脂肪の生成が高まり肝臓に中性脂肪がたまり始めます。

触診を行うと右肋骨の下に肥大した肝臓がやわらかくふれます。

肝生検では、脂肪滴と呼ばれる中性脂肪の粒が肝細胞内に認められ、このように脂肪化した細胞が肝細胞の3割以上を占めるとアルコール性脂肪肝と診断されます。

自覚症状が全くといっていいほどないため、暴飲を続けがちでアルコール性肝炎や肝線維症の前駆病変とされこの段階での治療が大切です。

症状の第一段階はアルコール性脂肪肝で倦怠感や疲労感、腹部の膨満感などがありますが無症状のこともあります。

脂肪肝になっても更に大量の飲酒を続けるとアルコール性肝炎やアルコール性肝繊維症が発症します。

そしてこれらの段階で禁酒し、適切な治療をおこなわないと肝硬変になり最悪の場合は死に至ります。

アルコール性肝炎

常習の飲酒をしている人の肝臓ではアルコールの代謝に伴って、酸素消費量が増えて肝細胞が絶えず酸欠の状態におかれます。

また、アルコールの分解過程でできるアセトアルデヒドは、肝細胞内で働く酵素の活性を低下させ過酸化脂質を増やす物質です。

こうした悪影響の積み重ねで肝細胞が破壊され、急性肝炎同様の症状が出るとされます。

肝生検では、壊れた肝細胞を好中球がとり囲み、生き残った幹細胞にもマロリー体と呼ばれる球状のものがあらわれます。

右肋骨下を押すと腫れた肝臓にふれ、痛みを感じることがあるとされます。

アルコール性肝炎と診断された後も飲酒を続けるとやがて肝硬変に移行します。

アルコール性肝硬変

飲酒が常習の方で、腹腔鏡検査や肝生検で肝硬変と診断されたものを言います。

アルコールを毎日135g以上飲み続けた人は10年で5人に1人15年で過半数が肝硬変になるとされます。

ただし、アルコール性肝障害の進展は個人差が非常に大きいため注意が必要です。

女性は男性よりも速く肝障害が進むとされ男性の半分以下の酒量でも肝硬変になる可能性があるとされます。

治療法

いずれも、禁酒することが大切で、肝硬変になって線維化した肝臓が元に戻ることはありませんが適切な治療をすることで寿命を全うできることが可能です。

アルコールは食堂の粘膜を刺激して食道静脈瘤の出血を招く可能性があり治療中の飲酒は厳禁とされます。

肝機能の検査項目一覧