A型肝炎ウィルス

(提供元:国立感染症研究)

A型肝炎ウイルスは、経口感染によって伝播し、集団発生します。

発展途上国ではA型肝炎は、まだ常在伝染病として認識されています。

症状は、発症初期の2~3日続く38℃以上の発熱が最も特徴的で、その他に全身倦怠感、悪心嘔吐などの自覚症状も強く、黄疸もみられます。

衛生環境が悪かった戦前や戦中生まれの人の多くが子供時代にA型肝炎になり抗体が出来ています。

HAV抗体陽性者は、団塊世代を堺に激減しており、海外旅行の際は注意が必要な病気です。

発症頻度

日本では、年間5万人~20万人がA型肝炎を発症し、日本の急性肝炎の40%がA型であるとされます。

感染ルート

主な感染ルートは、経口感染です。

A型肝炎ウィルス(HAV)は感染者の便の中に排泄されるので、その便を畑の肥料に使えば野菜などが上下水道の未整備な地域や洪水などがあった地域では飲料水がこのウィルスに汚染されます。

他には、汚染された生水や生物を口にすることでも感染します。

経過

潜伏期間は2~6週間とされ、その後38度以上の発熱全身倦怠感、吐き気、食欲不振などの急性肝炎の初期症状があらわれます。

これらの症状は、1週間ほどで楽になり続いて黄疸があらわれるとされます。

黄疸は2~4週間ほど続き、HAV抗体が陽性になるのに伴って黄疸がおさまり肝機能の数値も正常化するとされています。

このように一過性の良好な経過をたどるのが普通ですが、この肝炎の1%が劇症肝炎を、2%が急性腎不全を起こすとされ注意が必要です。

黄疸の出ている期間は入院が必要とされ、安静を保ち点滴で肝細胞の再生を促します。

食べ物

貝類はA型肝炎ウィルスをため込みやすいとされ生牡蠣を食べてA型肝炎になる人が多いようです。

下記を100℃のお湯で煮ると、1分ほどで中まで火が通り、ウィルスは死滅するので加熱調理をすれば感染の心配はなくなります。

しかし、包丁やまな板が汚染された場合は感染のおそれがあるので調理器具はこまめに洗いましょう。

予防法

A型肝炎やE型肝炎の多発地帯では、生水、生食は避けなければいけません。

多発地帯:アフリカ大陸:中央アジア:東南アジア:南米:中米:中国出発前にA型肝炎ワクチンの摂取を受けておくのが確実で、2回の注射で半年以上の感染を防げるとされます。