血液検査を受ける男性

血液検査とは

血液は、体内を流れる重要な体液で、全身の細胞に栄養分や酸素を運搬し、二酸化炭素や老廃物を運び出す役割を担っています。

血液には様々な情報が含まれているので、血液を検査することで健康状態を知る手掛かりとなります。

体調が悪い時に病院で血液検査をしたり、健康診断で定期的に血液検査をするのはそのためで、一般的な病院で検査可能な項目は2000余りもあります。

血液検査は、採血法によって得られた血液を利用して病状などを調べる臨床検査の一つで、様々な病気の発見に血液検査は欠かせません。

ただやみくもに検査がなされるわけではなく、検査の流れの中で目的や段階に応じた検査がなされます。

例えば、健康診断や人間ドックなどで行われるスクリーニング検査は体の異常を拾い上げることを目的としており、精密検査ではスクリーニングで拾い上げた異常を更に詳しく検査をする時に行われます。

また、異常が見つかり治療が開始されてからは、治療の効果測定のための検査が行われます。

血液検査の項目

主な腫瘍マーカーと陽性の時にわかる病気

腫瘍マーカーとは、癌の進行とともに増加する物質のことで、主に血液中に遊離してくる抗体を検出する検査です。

この物質は、正常細胞ではほとんど産生されず腫瘍細胞に特異的に産生される物質で、腫瘍細胞が生体内にあることによって産生されます。

腫瘍マーカーは、進行したがんの動態を把握するのに使われたり、治療の効果測定に使用されます。

p53抗体:早期発見に有効な腫瘍マーカー

このマーカーはがん発症の早期チェックに有効で、厚生労働省も根治のできる可能性の高い段階での発見ができるとし、他の腫瘍マーカーとの組合せ検査を推奨しています。

p53抗体が主に反応する病気:食道がん、肺がん、乳がん、肝臓がん、子宮がん

p53抗体の基準値:1.3U / ml 以下

CEA:消化器系がんの腫瘍マーカー

CEAは、消化器系の癌、特に大腸がんや胃がん、すい臓がんなどの指標として用いられますが、このマーカーは、ある臓器に特異的に陽性になるわけではなく、その他の消化器癌(食道がん など)、肺癌、乳癌、肝臓がんなどでも陽性を示すことがあります。

CEAが主に反応する病気:食道がん、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝臓がん、甲状腺がん

CEAの基準値:5.0ng / ml 以下

腫瘍マーカーCEAの詳しい解説

PSA:前立腺がんの早期発見に活躍する腫瘍マーカー

PSAは、前立腺上皮および尿道周囲腺で産生される糖タンパクで、前立腺特異抗原と言われています。
PSA検査はこの前立腺特異抗原を検査します。

PSAが主に反応する病気:前立腺がん

PSAの基準値:4.0ng / ml 未満

腫瘍マーカーPSAの詳しい解説

AFP:肝臓に特異的な腫瘍マーカー

AFPは、比較的肝臓に特異的なマーカーで、特に肝細胞癌で陽性となり、値が高くなるとほどがんの可能性が強くなります。

AFPが主に反応する病気:肝臓がん、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変

AFPの基準値:10.0ng / ml 以下

腫瘍マーカーAFPの詳しい解説

CA125:卵巣に特異的なマーカー

CA125は、卵巣がん調べるマーカーとして、最も利用され、上昇するガンとして卵巣がん、子宮体がん、卵管がん、子宮頚部腺がん、子宮肉腫などの可能性が高いとされます。

CA125が主に反応する病気:卵巣がん、子宮体がん、卵管がん、子宮頚部腺がん、子宮内膜症、良性卵巣腫瘍

CA125の基準値:35.0ng / ml 以下

腫瘍マーカーCA125の詳しい解説

CA19-9:消化器がんと膵臓がん発見に有効な腫瘍マーカー

CA19-9は、正常組織中の唾液腺、胆管、気管支腺などに存在しており、消化器癌、特に膵・胆のう・胆管癌において高い陽性率を示します。(膵がんの80~90%、胆管、胆嚢癌の60~70%で陽性になります。)

CA19-9が主に反応する病気:すい臓がん、胆のうがん・胆管がん、子宮内膜症、卵巣嚢腫

CA19-9の基準値:37.0U / ml 以下

腫瘍マーカーCa19-9の詳しい解説

主な血液生化学検査と異常値が出た時にわかる病気

栄養状態(たんぱく代謝)の検査

総蛋白(TP)・・・血液中の蛋白の量で栄養状態や腎障害、肝障害の指標となります。

基準値範囲 : 6.5~8.0g/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

低い場合:栄養不良、肝臓障害(肝硬変)、ネフローゼ

高い場合:栄養過多、多発性骨髄腫

アルブミン(Alb)・・・アルブミンが低くなる場合は 、栄養不足、消化、吸収力の低下、消耗性疾患、肝硬変、腎臓の病気でネフローゼなどがあります。

基準値範囲 : 4.0~5.1gm/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

低い場合:栄養不良、肝臓障害(肝硬変)、ネフローゼ

血糖の検査

血糖(Gluc)・・・血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことで、血糖値を測定することで糖尿病であるか 否かを判断できます。

基準値範囲 : 65~109mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

低い場合:インシュリノーマ、甲状腺機能低下症

高い場合:糖尿病、急性膵炎、肝硬変

ヘモグロミンA1c(HbA1c)・・・グリコヘモグロビンA1cは、糖の結合したヘモグロビンのうち、最も血糖の変化に敏感に反応し、およそ4~8週前の血糖のコントロール状態を反映します。食事にも影響されないため、糖代謝の診断に有効な検査方法です。

基準値範囲 :4.3~5.8%

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c6.5%以上なら糖尿病と判断します。

肝機能の検査

GOT(AST)・・・GOTは肝細胞に含まれるたんぱく質を分解してアミノ酸をつくる酵素で、主に肝臓疾患の程度を知るための指標とされます。

基準値範囲 : 10~40IU/L

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、心筋梗塞、肝硬変

GPT(ALT)・・・肝細胞などに存在する酵素で、細胞が壊れると血液中に出て高い値を示すことがあります。

基準値範囲 : 5~45IU/L

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害

γ-GTP・・・アルコールに非常によく反応し、主に胆道、すい臓、脾臓、精巣、小腸などにも多く含まれる酵素ですが 、これらの臓器に障害があっても血液中に流れ出ることはありません。

基準値範囲 : 5~37IU/L

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝炎、肝がん、急性膵炎、慢性膵炎など

腎機能の検査

尿素窒素(BUN)・・・尿素窒素は、腎臓から排泄されますが、腎臓の機能が低下するとこの排泄が十分でなくなるため血液中の値が上昇します。

基準値範囲 : 6.0~22.0mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:腎臓の病気、脱水、消化管出血、薬の服用、たんぱく質の過剰摂取

低い場合:たんぱく質不足、妊娠

クレアチニン(CRNN)・・・筋肉中のエネルギー源となっている物質が役目を終えるとクレアチニンに変わって腎臓から排泄されます。従って、腎障害があると血液中の値が高くなります。

基準値範囲 : 0.4~1.0mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:腎機能障害、尿路閉鎖

低い場合:筋ジストロフィー症

脂質の検査

総コレステロール(TC)・・・コレステロールは、細胞膜の形成や胆汁の生成など、人体には必要不可欠なものですが、過剰となれば血管壁に付着し、血管が狭くなったり、弾力性を失うなどして、動脈硬化の原因になります。

基準値範囲 : 128~220mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:高脂血症、動脈硬化、糖尿病

低い場合:肝硬変、栄養障害

中性脂肪(TG)・・・中性脂肪は、エネルギー源として利用されますが、過剰となれば皮下や肝臓に蓄積して、肥満や脂肪肝の原因となります。又、動脈硬化も促進されます。

基準値範囲 : 30~160mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:高脂血症、肥満、アルコール性肝障害、脂肪肝、高血圧、糖尿病

低い場合:慢性肝障害、栄養不良

HDLコレステロール(HDL-C)・・・HDL(高比重)コレステロールは、動脈硬化の原因となるコレステロールを末梢血管から肝臓に転送する働きがあり、善玉コレステロールとも呼ばれます。

基準値範囲 : 41~110mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

低い場合:動脈硬化、高中性脂肪血症、高血圧症、糖尿病、心筋梗塞

LDLコレステロール(LDL-C)・・・LDH(乳酸脱水素酵素)は、逸脱酵素の中でいちばん有名なものです。LDHは肝臓、赤血球、筋肉、悪性腫瘍などにあります。したがって、LDHが上がる病気には、肝炎など肝臓が悪い場合、赤血球が溶血などでこわれた場合、心臓の筋肉がこわれた心筋梗塞の場合、がんの場合などがあります。

基準値範囲 : 60~139mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:急性肝炎、慢性肝炎、心筋梗塞、うっ血性心不全、肝がん、悪性貧血、急性腎不全

痛風(尿酸)の検査

尿酸(UA)・・・腎臓の排泄機能の低下や、尿酸生成の促進によって、血液中の値が高くなり、 痛風などを引き起こす原因となります。

基準値範囲 : 2.3~7.0mg/dl

(異常値を示した時に考えられる主な病気)

高い場合:痛風、多血症、白血病、溶血性貧血

低い場合:腎臓(尿細管)での再吸収障害、妊娠

性感染症の検査

エイズ(HIV)血液検査

HIV検査は、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。

HIV検査は、最初に「スクリーニング検査」を行い、そこで陰性であれば「HIV検査陰性」となります。陽性になったものについては引き続き「確認検査」を実施し、確認検査で陽性であれば「HIV感染」、陰性であれは「HIV検査陰性(スクリーニング検査の偽陽性)」となります。

エイズ(HIV)の症状、感染経路、検査方法、治療法

B型肝炎ウィルス・C型肝炎ウィルス血液検査

HBV(B型肝炎ウイルス)に感染しているかどうかは、血液検査でHBs抗原を検査し、 C型肝炎の感染はC型肝炎の抗体(HCV抗体)を検査します。

肝炎ウィルスの症状、感染経路、検査方法、治療法

梅毒血液検査

梅毒血清反応には脂質抗原を用いる方法STSと、梅毒病原体TPを抗原として用いる方法があります。

それぞれの特徴に応じて、両者を組み合わせて梅毒の検査を行いますが、一般的に検査を受ける時期は、不安な行為から1ケ月以降です。

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