過敏性腸症候群で特徴的な便通の異常や腹痛といった症状は消化器系のほかの病気でも起る症状で間違えやすいとされています。

また消化管には異常が無くても他の部位の病気が原因で便通異常や腹部の症状が出るケースがあるとされています。

これらの病気の中には迅速な治療を必要とする病気や治療法が異なる病気もあるとされています。

過敏性腸症候群の典型的な症状がある場合でも他の病気の可能性を確認しておく必要があります。

解説する医師と看護師

乳糖不耐症

牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなったり下痢を起こすのが特徴です。

過敏性腸症候群と似た症状を起こすことから間違われやすいとされます。

体質的に乳糖を分解する酵素が不足していることが原因とされ料理などに加えたり少しづつ慣らすことで起こりにくくなる場合があります。

乳糖不耐症は消化不良が原因の下痢をしたことで腸が敏感になり発症するケースもあるようです。

牛乳を飲んでお腹の調子が悪くなったり下痢をする場合は牛乳を飲むことを止めることで症状は治まります。

大腸ポリープ、大腸ガン

大腸ガンの詳しい解説はコチラ

大腸ポリープやガンは自覚症状がわかりにくく、検査でわかることが多いとされます。

血便や便通異常、腹痛などもこれらの病気の症状であるとされています。

ポリープやガンが便の通り道に出来ると便秘になったり、便が細くなったり、下痢になったり下痢と便秘を繰り返すことがあるとされています。

腹痛は鈍痛のことが多く腹部の膨満感や腹鳴などの不快感がある場合もあります。

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大腸憩室症

憩室とは管状になっている臓器の一部が出っ張って袋状になっている部位を指します。

炎症を起こしたり出血する場合は治療が必要とされています。

自覚症状がない場合も多いのですが、便通異常や腹部不快感があり検査をして見つかることもあるとされています。

腹痛や発熱がある場合は憩室炎を起こしている可能性もあるので診察を受けることが必要です。

大腸憩室にはお腹にガスがたまりやすい人に多いとされています。

腸の炎症

クローン病

小腸や大腸などの消化管に潰瘍が出来る病気で、病変が消化管の外側にまで達し他の部位と癒着を起こすこともあるとされています。

免疫系の異常が原因で起こる難病の一つで、10代後半から20代に発症することが多い病気だとされています。

下痢や腹痛の他、発熱、食欲不振も主な症状とされます。

症状が激しい活動期と穏やかな寛解期があり、活動期には絶食して静脈栄養を行うか腸管への刺激が少ない成分栄養剤をとるなどの処置がなされます。

普段から、低脂肪で粘膜への刺激の少ない食事が必要とされ病気が進行すると出血や膿がたまるなど、腸閉塞へ繋がる可能性もあるとされます。

腸閉塞に関する解説はコチラ

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に炎症が起こり、広範囲に潰瘍やただれが起きるとされます。

20代を中心に、10代後半から50代の男性に多く、免疫系の異常が原因ではないかとされています。

下痢や腹痛が主な症状で、便に粘液が混じったり血便が出ることが多く発熱することも多いようです。

症状が激しくなる活動期と穏やかな寛解期があり重症になると大量に下血したり、結腸の一部が太くなる巨大結腸症や大腸が破れて腹膜炎を起こすこともあるとされます。

食事を含めて日常生活での大腸への負担を軽くすることが大切で加齢やストレスで症状が悪化することもあるとされています。

過敏性腸症候群と症状が似ているので注意が必要であるとされています。

潰瘍性大腸炎についての解説はコチラ

薬や感染などによって起こる大腸炎

制酸薬、降圧薬、下剤などで大腸炎を起こすと、下痢や腹痛を起こすことがあります。

風邪や食中毒などで腸が細菌やウィルスに感染しても下剤や腹痛を起こすとされています。

中高年で心臓病や動脈硬化などがある場合は、虚血性大腸炎により激しい腹痛を起こすことがあるとされています。

腸管以外の病気

特発性膵炎、甲状腺機能亢進症、子宮内膜症、糖尿病などでも腹部の症状があらわれるとされます。

機能性消化不良症・慢性機能性腹痛

子供の過敏性腸症候群では、腹痛が主な症状になるとされ機能性消化不良症や慢性機能性腹痛と間違えやすいとされています。

機能性消化不良症では、上腹部の症状が多いとされます。

慢性機能性腹痛ではストレスなどが原因で起こることが多いとされ腹痛の他、頭痛や倦怠感、全身の痛みがあることが多いとされます。

どちらの場合も、腹部の症状だけで便通の異常は無いとされます。

下痢を止める食事法