腸のイラスト

人体には免疫にかかわる器官が複数ありますが最大の器官が腸であると言われています。

人間の腸は、長さが約7メートルあり広げるとテニスコート1面分にもなるそうです。

腸には、消化吸収の細胞だけではなく、神経細胞も存在しています。

その数、10億個で、脳以外に存在する神経細胞の約半分に値します。

全身のリンパ球の約6割が腸に集中しており抗体の6割は腸で作られている程です。

それほど腸は免疫系にとって重要である事を示唆しています。

免疫と腸内環境は、健康にとって密接な関係があることが最近の研究で明らかになってきました。

免疫と病気が密接な関係があることは周知の事実ですが実は、この免疫と腸内環境が密接な環境があることも分かってきています。

病気と腸内環境の関係

腸内免疫用語集

腸管免疫(ちょうかんめんえき)

腸を中心として構成される免疫系を指します。

腸は、人体で最大の免疫器官で、免疫系全体の細胞や抗体の約6割が腸管に集中しています。

腸管の免疫系は、安全なものと有害なものを区別して有害なものが侵入した場合はIgA抗体を産出して防御します。

ちなみに食べ物などのように安全なものに対して免疫反応を起こさない仕組みを経口免疫寛容といいます。

IgA抗体(アイ・ジー・エー・こうたい)

卵アレルギー・乳アレルギーなど食べ物に関するアレルギーの原因となる食べ物が腸に入った時に腸管から吸収されないようにブロックするのがこの抗体です。

この抗体が上手く作用しているとアレルギー反応が起こらないとされています。

腸内細菌のいない無菌マウスの実験ではIgA抗体の産出が低く、経口免疫寛容も起こりにくいとの実験結果からこの抗体の産出には腸内細菌が重要であるとされています。

IgE抗体(アイ・ジー・イー・こうたい)

アレルギーの原因となる物質が町に入りIgE抗体とくっつくとヒスタミンという物質が放出されくしゃみやかゆみなどのアレルギー症状が起きます。

IgA抗体とは逆に、IgE抗体が多いほどアレルギー症状が起きやすいとされています。

NK細胞(エヌ・ケー・さいぼう)

ナチュラルキラー細胞とも呼ばれ自然免疫で働く細胞とされています。

白血球全体の一割ないし二割がこの細胞であるとされています。

常に体内をパトロールして、ウィルスや感染細胞を見つけて攻撃したり腫瘍細胞を融解・除去をしている細胞です。

この細胞が、攻撃する力をNK活性と呼びます。

このNK活性は、20歳前後をピークに加齢とともに低下していきます。

高齢者になればなるほどガン患者が増えるのもこの活性の低下が原因であるとされています。

老化以外にも喫煙や不規則な生活や過度なストレスがこの活性を低下させる原因であることが指摘されています。

マクロファージ(大食細胞)

体内に入り込んだ細胞やウィルスを捕らえて消化する作用を持つアメーバ状の細胞。

消化する場合には、異物に対抗するる情報をT細胞に伝える役割を担っています。

ヘルパーT細胞(へるぱーてぃさいぼう)

免疫を管理する司令官の役割を果たしています。

マクロファージや樹状細胞などの免疫細胞は常に体内をパトロールしていますが異物を発見すると攻撃しながら、この細胞に有害物の情報を伝達します。

ヘルパーT細胞はその情報を元に異物に最適な抗体やキラー細胞に攻撃を命じ異物を取り除こうとします。

バイエル板(ばいえるばん)

小腸にある板状のリンパの集まりで腸管免疫を担う司令部の役割を果たしています。

ここで情報が交換され、病原菌に対してはIgA抗体を出し排除したり、タンパク質や腸内の常在菌に対しては免疫反応が起こらないように管理しています。