腸炎ビブリオ1

(提供元:国立感染症研究)

近海の魚介類に付着していることが多く短時間で増殖して食べた人が食中毒を起こします。

食材を常温に長く置くほど菌は増殖し、魚ではエラや腸、鱗に付着しており何かの拍子に刺身などに付着して増殖します。

腸炎ビブリオ食中毒は、日本で発生する食中毒の原因菌として、サルモネラと並んで多いとされます。

しかし、日本以外の国、特に欧米諸国での発生は少ないとされ刺身や寿司など、海産の魚介類を生食することが多い日本の食文化と大きく関連しています。

日本では特に6月から9月の、海水温が20℃を超える時期に多く発生します。

また東南アジアなどでも発生し、旅行者下痢症と呼ばれる輸入感染症の原因菌の一つでもあります。

日本の感染症法において、腸炎ビブリオ食中毒は、五類感染症の定点把握疾患である感染性胃腸炎に含まれるため、指定された医療機関では発生後一週間以内に報告することが義務づけられており、これを通して日本国内の発生状況が監視されています。

症状

腸炎ビブリオ食中毒は、6-12時間の潜伏期の後に、激しい腹痛を伴う下痢を主症状として発症し、嘔吐、発熱(高熱ではない)を伴うことがあります。

通常は2-3日で回復し、一般に予後は良好ですが高齢者など免疫の低下した患者では、まれに毒素による心臓毒性によって死亡する例もあります。

感染部位は小腸であり、上腹部痛を訴えることが多く食中毒以外に、傷口からの感染や、それに伴う敗血症を起こした例もまれにあります。

特徴

海水域に存在し、陸地から排水を通じて汚染を受ける海域、河川に多いとされます。

検出される時期は、水温の高い5~10月に集中して水温の低い冬場は検出されることはありません。

気温が17度以下になると増殖しにくくなり20度以上になると活発化して増殖します。

予防法

予防の基本は、菌による食物の汚染を防ぎ、汚染された食物を摂取しないことがもっとも重要です。

この菌は、真水で死滅するため真水で洗浄をすることが大切で、魚の内臓を取り出す時は他の調理と並行しない事も大切です。

増殖が早い菌であるため、特に夏期には生の魚介類を常温で放置しないことが重要で低温に弱い菌であるため、冷蔵保存することが感染防御の上で重要です。

また、高温に弱い菌であるため、十分に加熱調理することでも感染を予防することが出来ます。