調理をする女性

火による殺菌や抗菌

人類は誕生以来現代まで、食中毒により生命を脅かされてきました。

人類は多くの犠牲を払いながらこの問題を加熱で解決できることを発見しました。

細菌性食中毒の予防には、加熱が最も効果的で、75℃1分という目安があります。

これは、全国的にO157が猛威をふるった時に、O157の殺菌の目安として示された加熱の温度と時間です。

O157は比較的熱に弱いので、75℃1分以上の加熱をすれば死滅します。

この加熱ですべての食中毒菌をやっつけることができるわけではないのですが、芽胞を持たない大腸菌、サルモネラや腸炎ビブリオなどには十分に効果があるとされます。

アルコールによる殺菌や抗菌

大航海時代は、自然や海賊の脅威の他に食中毒の脅威がありました。

大航海時代の商船は何ヶ月も物資の補給ができず、大量に積み込んだ食料や水で生活する必要がありました。

冷蔵庫や冷凍庫が無い当時の船乗りたちは、食中毒と隣り合わせでした。

食料だけではなく水も腐りますので、食中毒を防ぐ意味でアルコール度数が60%以上のラム酒などの酒を食事と一緒に流し込み胃液の殺菌力を高める工夫がなされました。

水は貴重品なため、水分補給のためにワインを飲みましたがこれも食中毒からの自衛手段でした。

アルコール分が60%以下だと殺菌力は減り、25%ではほとんどその力が無いとされます。

塩による殺菌や抗菌

塩は古来、味付けの意味以外にも保存食の菌の抑制法として考えられました。

生体の水分には、細胞水という細胞内の水と自由水という細胞間にある隙間を満たす水があります。

細菌は自由水のある環境でしか増殖したいため自由水を無くす意味があります。

塩漬けにして食品を保存する方法は、これらの水分を塩で抜き出し細菌を死滅させたり不活性化させる意味があります。

漬物や塩漬けの食品が長期間保存できる理由は、このように雑菌の繁殖を抑える効果があるからです。

塩は殺菌作用がありますが、塩分過多は人間の健康には有害なので塩の過剰摂取は気をつけなければいけません。

酢による殺菌や抗菌

酢には細菌の活動を抑える効果があります。

アルカリ性や酸性が強い環境では細菌の活動は抑えられます。

梅干しやラッキョウの酢漬けは強い酸性でコンニャクはアルカリ性の強い食品で両方共保存性は良いです。

加工食品もこれらの性質を利用して製造されPH調整剤という酸性の食品添加物が加えられ保存性を良くしています。

砂糖による殺菌や抗菌

糖度が増すと水分活性が少なくなり細菌の活動を抑制、殺菌します。

甘いものほど傷みにくく保存がきく食品になります。

砂糖の量が少なくなると腐敗するため料理や製菓では分量は大切です。

細菌にとっては砂糖は良い環境ではありません。

野菜より果物のほうが長持ちするのも糖度が高く腐りにくいからです。

はちみつも長期間常温で保存出来、ほとんどの菌は死滅しますがボツリヌス菌だけは生き残ることがあります。

活動は抑制されているため増殖せず少ないため大人が食べても問題ありませんが抵抗力の低い乳児などでは菌が悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。

感想による殺菌と抗菌

乾燥させた魚や肉、果物は古代からの保存食品です。

乾燥させた状態は細菌が生存するための水分が無いため細菌は増殖できず腐敗を防ぎます。

また、乾燥した魚や肉ではアミノ酸が増えて旨味が増します。

野菜によっては乾燥するとビタミンが増えるものもあります。

どんな食品でも乾燥させれば殺菌でき健康と栄養の面から乾燥は人間の考えた良い加工法なのです。

フリーズドライという食品の加工法がありますが水分が無くなるため常温でも食品の保存が可能になりました。