HIVウイルス

(提供元:国立感染症研究)

エイズ・AIDS(後天性免疫不全症候群)とは

厚生労働省が発行した厚生労働白書によれば、エイズウィルス感染者は増加傾向にあり国内でエイズが爆発的に蔓延しているにもかかわらずエイズへの関心が薄れつつあります。

エイズウィルス感染者、エイズ患者ともに過去最高の人数に達し、国内のエイズ対策が十分ではないことが考えられます。

エイズとは後天性免疫不全症候群のことでヒト免疫不全ウイルスHIV感染によって感染する病気なのじゃ。

エイズを発症すると免疫機能が働かなくなり、細菌、真菌、原虫、ウィルスなどに対して抵抗力が無くなり健常なときには発症し得ない症状が次々と発症し適切な治療が施されないと重篤な全身性免疫不全により日和見感染症や悪性腫瘍を引き起こすので注意が必要なのじゃ!

潜伏期間は非常に長く数年から十数年に及び、発病前の状態はHIV感染と呼ばれ日常生活に支障はありません。

そのため感染に気づかず性行為により感染を広げる事が感染の拡大の大きな原因とされ、特に性感染症にかかった状態での性行為は感染の危険を高めます。

HIVウィルスの特徴

人体の免疫細胞であるヘルパーT細胞やマクロファージ表面にに結合して感染侵入し、それらの細胞に侵入すると細胞核を崩壊し遺伝子を注入し宿主細胞の染色体に組み込まれ複製します。

HIVウィルスは体外に出るとすぐに不活化してしまう感染力が弱いウイルスでもあります。

感染経路

感染経路は、性的接触、母子感染、血液による感染が主で、基本的に血液や精液などの体液を介して感染するので血液や体液の接触が無い限り日常生活ではHIVに感染する可能性はありません。

唾液や涙等の分泌液中に含まれるウイルス量は存在したとしても非常に微量で感染することはありません。

HIV感染症(エイズ)の症状

[table "15" not found /]

HIV 感染の経過は感染初期(急性期)、無症候期、エイズ発症期の3期に分けられ、その間持続的に免疫システムの破壊し、感染者を免疫不全状態へと進行していきます。

感染初期(急性期)

感染初期では、HIVウィルスは免疫細胞であるTリンパ球に感染し急激に増殖し、感染者体内の免疫反応により発熱、咽頭痛、筋肉痛、皮疹、リンパ節腫脹、頭痛などのインフルエンザ様症状がみられますが数週間で消失します。

症状は全く無自覚の程度から強いものまで様々で、初期症状は数日から10週間程度続き多くの場合自然に軽快します。

この時期に病気が判明するとその後の治療が良好になるため、その他の、梅毒、淋病、コンジローマ、クラジミア感染症などの性感染の症状が有る場合は同時に検査すると良いでしょう。

感染後、短期間のうちにエイズ発症をする人もいますが、通常は無症候期に入り無症候期は数年〜10年以上続くことが多いとされます。

無症候期

無症候期の間も、HIVは体の中で毎日100億個くらい増殖し、Tリンパ球は次々とHIVに感染して平均2.2日でリンパ球が死滅していきます。

感染後の免疫応答により、ピークに達していたウイルス量は6~8カ月後にある一定のレベルまで減少し、定常状態となります。

この期間は、HIV感染症に特徴的な症状はほとんど見られませんが、性感染症や肝炎、帯状疱疹、ヘルペス、結核や口腔カンジダ
、赤痢アメーバなどがきっかけとなってHIV感染が判明する事が多いようです。

血中1μl中に700〜1500個あるTリンパ球が200個未満になると免疫不全状態となり、日頃かかることのない様々な病気にかかりエイズを発症します。

エイズ発症期

数年~10年間ほどの潜伏期間を過ぎるとエイズ発症の前触れ的な症状がみられるようになり、1ヶ月以上続く発熱、倦怠感、リンパ腺の腫れ、持続性の下痢、体重の減少、全身のだるさ、寝汗、帯状疱疹などの症状が出るようになります。

免疫機能が低下し健康な人では感染症を起こさないような病原体が原因で発症するようになり、これらを日和見感染と呼びます。

カリニ肺炎やカポジ肉腫、HIV脳症、カンジダ症など、多くの病気を発症し、医師がエイズ発症と診断した場合、エイズ(後天性免疫不全症候群)と呼ばれるようなります。

現時点では、自然治癒は無く、エイズを根治する治療法は開発されていませんので予防が唯一の防御法と言え、HIV感染の段階でエイズの発病を抑える事が治療の中心となります。

エイズ(HIV感染症)検査

エイズはHIVに感染してもすぐには発病せず、初期では殆ど自覚症状が出ないため、心当たりが有る場合は検査を受けることが大切です。

感染すると2~8週間で血液中にエイズの抗体が出来るため血清反応が陽性になります。

検査は抗体の有無を調べるものなので、抗体ができる前に検査しても正しい結果は得られません。

検査は感染の機会が有ってから2か月後に受けることが理想で結果は1週間程度で得られます。

HIV 感染症の検査は、スクリーニング検査と確認検査の2段階で行われることが普通です。

スクリーニング検査

スクリーニング検査では感染検体を漏らさず検出することが求められることから感度が優先され、抗体検出法として凝集法(PA法)、酵素免疫抗体法(EIA)、イムノクロマトグラフィー法(IC法)があり、いずれもHIV-1/2抗体の両方が検出できる検査法です。

確認検査

感度より正確性が優先される確認検査では抗体確認検査が用いられ、判定保留、または陰性であっても感染初期が疑われる場合は核酸増幅検査(NAT)を行い、感染初期か否かを確認します。

検査の際の個人情報は保護される仕組みになっているので、安心して検査を受けられます。

感染後、HIV抗体が確認できる時期は?

感染後2~3ヵ月後にはほとんどの場合で抗体が確認できます。が、まれに6ヵ月近くまで確認できないことがあります。

HIV抗体の偽陽性(にせの陽性)ってなに?

実際にHIVに感染していないのにHIV抗体が陽性になることです。

偽陽性の確率はおよそ1000人に数人といわれます。

抗体が陽性であっても感染していないことがあるので陽性の方は専門医療機関でHIV確認検査を受け診断を受けることが必要です。

感染の心配があってからいつ検査をすればいいの?

感染後しばらくの間は抗体が作られない時期があるので、陰性結果でも決して安心はできません。

結果が陰性でまだ心配な方は、陰性結果を受けた2ヵ月後に再度検査をすると良いでしょう。

男性用STD4種+のど2種(内部展開図) 女性用STD4種(内部展開図)




性感染症検査の全般ついて詳しく知りたい方はコチラ

エイズの治療

3剤以上の抗HIV薬を組み合わせて服用する多剤併用療法が今日のHIV感染症の標準治療法です。

ARTは1996年のプロテアーゼ阻害剤の実用化とともに始まり大きな治療実績をあげてきたとされ、この15年間に多くのARVが開発されており、現在までに核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、CCR5阻害剤が実用化されています。

ARTの進歩は単に薬剤の種類が増えただけでなく、ARVの性能が改良されており、ART黎明期に比べると格段に強い抗ウイルス活性、長い血中半減期そして難薬剤耐性獲得性が実現されています。

これらの改良は服薬回数の軽減につながり、治療の成功率は飛躍的に向上しているとされます。

エイズの予防

エイズはしっかりと予防すれば確実に防げる病気なので予防をしっかりしましょう!

不特定多数の人と性行為をせず、信頼できるパート―ナーとすることが大切で

お互いに感染しているかどうか不明な場合はコンドームを装着しましょう!

血液や精液の接触を避けることが大切です

ディ―プキスやペッティングでは、傷をつけないように注意し性器などに出血が有る場合は性行為を控え、月経中のセックス、アナルセックス、オーラルセックスなど出血が有る時のセックスは避けましょう。

他の人の血液に触れない事も大切で、カミソリや歯ブラシなど皮膚を傷つける可能性のある道具を他の人と共有するのは避けましょう。